俺の裡で鳴り止まない詩~中原中也作品集~
2005年 01月 15日
詩人、歌手、画家、エッセイストと多才な顔を持つ友川かずきが、70年代終わり頃に発表した異色作である。何が異色かというと、このアルバムは友川が愛する詩人、中原中也の詩に曲を付けた作品集で、オリジナルの楽曲が一つも入ってないことだ。
収録された曲目リストは①サーカス②臨終③湖上④歸郷⑤桑名の驛⑥夏の日の歌⑦汚れつちまつた悲しみに⑧春の日の夕暮⑨六月の雨⑩坊や の10曲で①や⑦は教科書にも載っているであろうというくらい有名な作品。
中也ほどに人気が高く、また著名な作品に曲を付けるというような試みは、ある意味で無謀とも言える。どうしても曲が詩に負けてしまったり、未消化になってしまったりするものだ。そのため、原作に対するオマージュは感じられるものの、作品としては完成度が低くなりがちになってしまうのである。
しかし、友川のこのアルバムは違う。「中原中也のこの詩にはこのメロディしかありえない」と思わせるくらいに自然な仕上がりになっている。これは友川の詩人として文学者としての資質が、中也にかなり近いものである証左と言えるかもしれない。
収録された楽曲はどれもこれも素晴らしい。だが僕の好みで選ぶならば、①③④をお勧めする。特に「湖上」は美しいバラードで、中也の描く詩世界と友川の歌と曲がシンクロし、背筋が凍るほどの凄まじい美しさを感じさせてくれる。
友川かずきは現在も多方面に渡り活動している。だが僕は彼の「桜の国の散る中を」(80年発表)以来、いつの間にか遠ざかってしまい、最近の活躍ぶりを知らない。そこで、今回この原稿を書くにあたって友川かずきウエブ・サイトを訪ねてみた。そこには彼の近況や絵画の紹介、ライブの写真などが掲載されているのだが、写真で見る限りすごくお洒落で垢抜けた人になっていた。
でもライブでは今でも秋田弁でMCしてるのかな?
収録された曲目リストは①サーカス②臨終③湖上④歸郷⑤桑名の驛⑥夏の日の歌⑦汚れつちまつた悲しみに⑧春の日の夕暮⑨六月の雨⑩坊や の10曲で①や⑦は教科書にも載っているであろうというくらい有名な作品。
中也ほどに人気が高く、また著名な作品に曲を付けるというような試みは、ある意味で無謀とも言える。どうしても曲が詩に負けてしまったり、未消化になってしまったりするものだ。そのため、原作に対するオマージュは感じられるものの、作品としては完成度が低くなりがちになってしまうのである。
しかし、友川のこのアルバムは違う。「中原中也のこの詩にはこのメロディしかありえない」と思わせるくらいに自然な仕上がりになっている。これは友川の詩人として文学者としての資質が、中也にかなり近いものである証左と言えるかもしれない。
収録された楽曲はどれもこれも素晴らしい。だが僕の好みで選ぶならば、①③④をお勧めする。特に「湖上」は美しいバラードで、中也の描く詩世界と友川の歌と曲がシンクロし、背筋が凍るほどの凄まじい美しさを感じさせてくれる。
友川かずきは現在も多方面に渡り活動している。だが僕は彼の「桜の国の散る中を」(80年発表)以来、いつの間にか遠ざかってしまい、最近の活躍ぶりを知らない。そこで、今回この原稿を書くにあたって友川かずきウエブ・サイトを訪ねてみた。そこには彼の近況や絵画の紹介、ライブの写真などが掲載されているのだが、写真で見る限りすごくお洒落で垢抜けた人になっていた。
でもライブでは今でも秋田弁でMCしてるのかな?
by oldblues
| 2005-01-15 22:34
| 70's Rock&Folk(J)