大好きな音楽の話をしたいな


by oldblues
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いろはにこんぺいとう

b0008880_021118.jpgデビュー当初から「天才」の名を欲しいままにしていた矢野顕子。その溢れんばかりの才能と惜しげも無く放射されるオーラ、独特のヴォーカル・スタイルなどから、彼女を敬遠する向きもあるようだが、今では世界的なアーティストとして評価されている。

そんな彼女の77年発売のアルバムが「いろはにこんぺいとう」である。名盤では無いかもしれないが、僕にとってはかなり愛着のある作品だ。

タイトル曲は、「いろはにこんぺいとう、こんぺいとうは甘い・・・」という、例の遊び歌をモチーフにしたものだ。わらべ歌のように可愛らしい曲に思えるが歌詞はけっこうシビア。童謡やわらべ歌の中には残酷な内容のものがあるが、そういう意味でもこの曲は、わらべ歌の伝統をきちんと踏襲しているのかもしれない。

④「ほうろう」はご存知細野さんの曲。小坂忠やオザケンで有名だが、矢野顕子バージョンはまた違った味わいが有って面白い。ちなみに⑥「相合傘」も細野作品である。

当時の読売ジャイアンツの人気選手、柳田への讃歌⑤「行け柳田」はご愛嬌として、石川セリ作詞の⑧「昨日はもう」、矢野顕子としてはオーソドックスな感じのする⑨「家路」はいい曲だ。特に僕は「家路」が大好きで、歌詞の

さあもう帰ろうか仕事もようやく終えたし
小さな温もりが僕を待っている
さあもう帰ろうか仕事もようやく終えたし
小さな温もりにしがみつくために

という部分にはいつもドキっとさせられる。一見、小市民的な感情に対するアンチテーゼかのようにも思えるが、僕は必ずしもそうは受け取らない。否定する感情と肯定する感情がないまぜになり、揺れ動く想念の軌跡。そこに一種のアイロニーが生まれているところが素晴らしいと思う。

この当時、矢野顕子はまだ二十歳そこそこだったはずだ。しかし、その若さにしてこんな曲が歌えるなんて・・・やっぱり天才の名は伊達じゃないよね。
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by oldblues | 2005-07-08 00:25 | 70's Rock&Folk(J)