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大好きな音楽の話をしたいな


by oldblues
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水色の街

水色の街_b0008880_172813.jpgスピッツは大好きなグループだ。発売されたアルバムを全て持っているというほどではないが、カラオケで彼等の曲を20曲以上歌える程度のファンではある。

最初僕は彼等の事を、軟弱な歌を歌うバンドと思って敬遠していた。それはまあ、マサムネ君の爽やかな風貌と、あのハイ・トーンで歌われる、親しみやすいキャッチーなメロディに欺かれていたわけだ。しかし曲をよく聴いてみると、それがとんでもない誤解であったことに気づかされるのである。

スピッツの魅力は、やはり草野マサムネの作り出す楽曲にある。平易だが、組み合わせの妙から紡ぎ出される言葉の数々(そしてその中には少しの毒が忍ばされてある)。それが「草野ワールド」とも言うべき、独特の優しいメロディに乗せて歌われる時、哀しいほどの叙情性が生まれるのだ。

「水色の街」は2002年、「ハネモノ」と同時期にリリースされた。そして僕はこの曲こそが、先ほど述べたようなスピッツの魅力を、余すところなく表出した名曲だと思っているのである。

綺羅星の如く有る彼らの楽曲の中からこれをチョイスする理由は、もしかしたら個人的な思い入れからのみなのかもしれない。いわゆる「ツボにはまる」というやつである。しかし、歪ませた音色のギターがイントロのコードを鳴らし「川を渡る 君の住む街へ」と歌い出される時、何度聴いても背筋がゾクゾクっとなるのを禁じえないのだ。

川を渡る 君の住む街へ
会いたくて 今直ぐ
泥まみれの靴で 水色のあの街へ

ここで歌われるのはピュアでストレートな愛情だ。1秒だって離れていたくないという彼女への想い――大人になってしまった今ではもう持ち得ない打算のない愛だ。

詩、メロディ、アレンジ、演奏、ヴォーカルなど、どれをとっても全てが完璧で文句の付けようがない。この曲を聴くと、周りが濃い水色に包まれる。そして、いつも泣きたくなってしまうのだ。
by oldblues | 2005-07-09 01:11 | J-POP