大好きな音楽の話をしたいな


by oldblues
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イパネマの娘

b0008880_22134350.jpg夏の日が今、終わろうとしている。さしもの猛威をふるった太陽も西に傾き、空を薔薇色に染めてゆく。夕方になってようやく生ぬるい風が吹き始めた。僕達はそのわずかな風にしがみつきながら、今日という日を惜しむ。

団地の中庭では子供達の声。どこからかカレーを作る匂いが漂ってくる。そんな生活感のある風景の中で、僕はボサ・ノバを聴いているのだ。

アントニオ・カルロス・ジョビンが創始したというボサ・ノバの事を、僕はあまり知らない。でも中学生のころにブラスバンドでフルートをやっていたから、「イパネマの娘」という名曲の存在は知っていた。いつかこんな素敵な曲を演奏出来るようになりたい――当時の僕はそう考えていた。

このアルバム「TIDE」を買ったのも、件の曲が収録されていたからだ。納屋橋のYAMAHAで手に入れた輸入盤。ワゴン・セールで500円だった。ジャケットの写真が良い。ボサ・ノバという僕にとっては未知の音楽、そのエキゾチックな印象を具現化しているような気がした。

このアルバムを聴いて「イパネマの娘」以外の曲も好きになった。ジョビンの事も少しは知ったし、他にもたくさんある素晴らしい楽曲を聴く機会にも恵まれた。
だが、僕にとってのボサ・ノバは、いつまでたっても環境音楽の域を出ていないようだ。とても好きなんだけど、あまりにも聴き心地が良すぎて、つい眠くなってしまうからかもしれない。

でも、いいではないか。そんな音楽の聴き方があっても良い。僕はカレーの匂いが漂う団地の夕間暮れに、ボサ・ノバを聴きながら、遠いブラジルの地に思いを馳せる。

そのイメージはきっと真実とは違っているのだろうけれど。
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by oldblues | 2005-08-07 22:16 | Latin