大好きな音楽の話をしたいな


by oldblues
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百眼の巨人アーガス

b0008880_12171366.jpg1.Time Was(時は昔)
2.Sometime World(いつか世界は)
3.Blowin' Free
4.The King Will Come
5.Leaf And Stream(木の葉と小川)
6.Warrior(戦士)
7.Throw Down The Sword(剣を捨てろ)

後年再発されたアルバムには、ボーナス・トラックとして何曲かが付加されているが、オリジナルでの収録曲はこの7曲。ウィッシュボーン・アッシュ3枚目のアルバムであり72年の作品だ。ご承知のように「70年代ロック・・・」という企画には必ず登場し、名盤としての評価が定着している。そして内容はその評判に恥じないものとなっている。

60年代以前のポップスは、ラジオでオン・エアされることを前提としていたためか、1曲あたりの時間が短く、1枚のアルバムに入っているのは12曲以上というのが普通だった。それでもA面B面合わせて演奏時間30分以下などというのが当たり前だったのだ。それに対しロック・ミュージシャンたちは、経済的な成功もさることながら芸術性の方にも重きを置くようになったようで、間奏で長いインプロビゼーションを展開するなど、演奏時間はどんどん長くなる傾向にあった。
そんなわけで僕らがレコード店でアルバムを購入する際、1枚のアルバムにどれだけの曲が収められているかというのが一つの判断基準になった。アルバムあたりの収録数が7-8曲であると「うーむ、充実している感じだな」という具合である。

ウィッシュボーン・アッシュはイギリス出身、2本のギターにベースとドラムスという編成だ。シンセサイザーやキーボードが入っていないシンプルな編成ながら、壮大で美しい音楽を展開するところに彼等の真骨頂がある。サウンド的にはツイン・リードをフィーチャーしたギター・ロック。アンディとテッドのギターはどちらが主とか従という関係ではない。「白熱のバトル」といった部分もあるものの、どちらかといえばアンサンブルに主眼を置いているようだ。

さて、「百眼の巨人アーガス」である。アーガスというのは神話に出てくる伝説の巨人のことだ。このアルバムタイトルやジャケットデザイン、また楽曲のタイトルなどから、サーガのような神話的世界をモチーフにしているのだろうと想像できる。もっとも、彼らは初めからそういうコンセプトでアルバムを作成しようとしたわけではなかったようだ。しかし、後付にしろなんにしろ、「アーガス」はトータル・アルバムとして聴かれていることが多いだろう。こういうテーマの音楽、最近ではRPGなどのゲーム音楽に受け継がれているような気がする。

ギターのアルペジオから始まり、途中からアップテンポの小気味よいロックになる①で幕を開け、最後の⑦まで一気に聴き進むことができる。どの曲も魅力的な旋律を持っており、いかにもイギリスのバンドらしく、きちんと構成されている。いささかワイルドさに欠けるきらいはあるが、安心して聴いていられる良質なアルバムだ。
②の始まりのギターの美しさはどうだろう。何度聴いてもゾクゾクしてしまう。この曲も途中からテンポが変わってしまうのだが、個人的には最後までスローテンポのまま20分くらい続けて欲しいと思うのだが、どうだろう。

というわけで僕のフェイバリットは「Sometime World」ということになる。もちろん他の楽曲が悪いというわけではなく、あくもでも個人的な好みということだ。他にも、⑦で聴かれる2本のギターの絡みなどなかなかにエキサイティングで、このアルバムの中の聴き物のひとつだと思う。

しかし、個々の楽曲を挙げてコメントするのは愚かしい行為なのかもしれない。やはりこの作品は通して聴いた方がよい。トータルで評価すべきアルバムなのだ。
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by oldblues | 2008-04-20 12:20 | Old Rock