大好きな音楽の話をしたいな


by oldblues
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カテゴリ:Pops( 14 )

We Walked In Song

b0008880_23212621.jpg2007年に発売された本作品は、おそらく現時点ではThe Innocence Missionの最新作ということになるのだろう。日本盤のみボーナストラック「Shooting Star (Sketch)」が収録され、さらにiTunes Storeで購入すると2曲のボーナストラックが付いてくる。全14曲で1,200円という値段は、なかなかお買い得だなと思う。

1. Brotherhood of Man
2. Happy Birthday
3. Love That Boy
4. Into Brooklyn, Early in the Morning
5. Lake Shore Drive
6. Song from Tom
7. Since I Still Tell You My Every Day
8. Wave Is Rolling
9. Colors of the World
10. Over the Moon
11. My Sisters Return from Ireland
12. Shooting Star (Sketch)
13. Song from Holland (Bonus Track)
14. Do You See My Brothers Coming? (Bonus Track)

彼らの音楽を一言で表すならば「Pure」という言葉が最も適切なのではないだろうか。「心が洗われるような音楽」というのは、表現としては月並みだけれど、実際にはそうそうあるものではない。納められた楽曲のタイトルをずらっと並べてみただけで、なんとなくそんな感じが伝わってくるような気がしないだろうか。

そんな彼らの魅力を支える最も大きな要素は、やはりKaren Perisのヴォーカルであることは間違いない。その声の良さは天性のものだ。しかし彼女の歌をサポートする演奏も、The Innocence Missionというユニットのサウンドを語る上では欠かせない。控えめでありながら主張すべきところはきちんと主張し、まるで歌に寄り添うような一体感を醸し出している。

サウンドからすると、彼等の音楽は「フォーク・ロック」とか「ポップ・ロック」などということになるのだろう。しかしそんなジャンル分けなどは全く意味が無い。それどころか、あきれ返るほど愚かな行為なのだと、この信じられないくらい美しい歌たちを聴いていると、そう思い知らされる。

瑞々しい14個の野苺が並んだ真っ白な皿。「We Walked In Song」はそんなアルバムなのだ。
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by oldblues | 2008-03-30 23:23 | Pops

The Julia Fordham Collection

b0008880_20342844.jpg最近のお気に入りで、こればかり聴いているのが、ジュリア・フォーダムの「The Julia Fordham Collection」だ。彼女はどちらかといえば、80年代に活躍した人というイメージが強いが、それはあくまでも僕の認識不足。今に至るまで質の高い音楽を提供し続けている。

そんな長いキャリアの中で、意外にもこのアルバムが初のベストであるらしい。ずらっと並んだ15の楽曲や、彼女のイメージにぴったり合ったジャケット・デザインを見るにつけ、さすがベストの名に恥じないと納得させられるものがある。「ベスト」と名付けられているアルバムは多いが、全てこれくらいの質であって欲しいものである。

ジュリアの楽曲の魅力はその声の良さに負うところが大きい。もちろんそれだけではないが、あの美しい声が無かったら、ずいぶん印象の違うものになってしまうであろうことは否めない。繊細なのに力強いのは、低音部分で思いの外に太い声を出すからなのか。もしくは、低音で野太い声を出すくせに、かくも美しく感じられるのは、彼女の表現力のなせる技なのか。いずれにしても聴いていてとても心地よく、稀有な魅力を持った歌い手であるのは間違いない。

どの曲も素晴らしいが、オリジナル・ミックスと98年バージョンの比較が出来る「Happy ever after」が、僕にとっては最も興味深かった。とは言うものの他の楽曲もいずれも甲乙つけがたい。温かい飲み物でも飲みながら、ジュリアの歌を聴いて過ごす。今年の冬はそんな時間を過ごす機会が増えそうだ。
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by oldblues | 2006-11-26 20:33 | Pops

Today

b0008880_22375523.jpg「Innocense Mission」というグループ名がすべてを語っていると言えるかもしれない。
少女のように天真爛漫で無垢なKarenのヴォーカル、アコースティックギター中心の美しいサウンド。童謡にも似た親しみやすいメロディを持った数々の楽曲は、シンプルでありながら心に残る不思議な魅力を持っていて、まさに「珠玉」と呼ぶに相応しい。

Innocense MissionはKarenとDonのPeris夫妻、それにMikeとSteveの4人からなるユニットだ。グループの活動歴は意外に長く、実に十数枚ものアルバムを発表している。しかしながら、あのジョニ・ミッチェルに「最も興味のあるソングライター」と発言させるほど素敵な音楽をやっているにもかかわらず、日本ではあまりにも知名度が低いようだ。

かくいう僕も、彼らのことを知ったのはわりと最近で、偶然ネット上で公開されている曲を聴いたのがきっかけになった。そして、そのきっかけになったのが表題の「Today」という曲なのである。僕にはこの曲が、先に書いたような彼らのピュアな音楽の魅力を、最も色濃く体現していると思える。1度聴いただけでKarenの歌の虜になり、彼らのことを大好きになった。もっとも他にも魅力的な曲はたくさんあるので、たまたま「Today」が僕のツボにはまったというだけのことかもしれない。

少し前から世間ではヒーリング・ミュージックという分野の音楽がもてはやされ、「癒し系」などという、品の無い名称で分類されている。しかし、真に心を癒してくれる音楽は、それほど多くはありはしない。もしあなたが、凡百の「癒し系」に辟易としているならば、是非このバンドの音楽を聴くといい。決して期待を裏切られることはないはずだ。

The Innocense Mission公式サイトこちらで試聴が出来ます
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by oldblues | 2006-11-19 22:47 | Pops

Sugar in the rain

b0008880_0164228.jpg何気なくレンタルしてきたCDの中に素晴らしい曲を見つけた。こういう出会いがあるから音楽を聴くのは止められない、そんな気にさせる1曲だ。

そのCDはいわゆるカフェ・ミュージックを集めたコンピレーション・アルバムで、ジャケットのおしゃれな印象を裏切らず、素敵な曲ばかりが収録されている。まさに午後のひと時を過ごすカフェで聴くのに相応しいアルバムである。シリーズになっているから、いずれは全部聴いてみたいと思っている。

その中でも僕が特に気に入ったのが17曲目の「Sugar in the rain」だ。クレジットがシド・ラミンとなっているので調べてみたら、映画「ウエスト・サイド・ストーリー」の音楽を担当した人らしい。
ふーん、知らなかったなあ。でも僕が知らなかっただけで、きっとこの人も曲もその筋では有名なのかもしれない。

曲はボサノバ調の極上ポップス。ポップスはこうでなければならないという見本のような曲で、楽しく明るく、少しほろ苦い。ボーカルの女性の声もセクシーでありながら爽やかで心地よい。お風呂で歌っているように深くかかり過ぎたエコーも、独特の倦怠を感じさせるアレンジもいい感じだ。

最近、僕の住んでいる名古屋は、雨が多いせいか妙に暖かい。そして雨の日にボサノバはよく似合う。僕は何度も繰り返し、この曲ばかりを聴いている。タイトルも「Sugar in the rain」

ほら、雨の日にぴったりではないか。
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by oldblues | 2006-02-17 00:15 | Pops

You belong to me

b0008880_1135467.jpg山下達郎が「ON THE STREET CORNER 1」をリリースする以前、「アカペラ」はあまり一般的な言葉では無かったはずだ。今では普通に通用するが、当時は一部の音楽ファンの間でしか使われなかった言葉だったのである。そしてそんな、ある意味特殊な「音楽用語」を広く知らしめるきっかけになったのがこのアルバムであり、且つ僕の知る限りでは、日本で初めて本格的にアカペラに取り組んだ、画期的な作品集だった。

もちろんこのアルバムの価値は物珍しさにあるのではなく、その水準の高さにある。達郎1人で全てのパートをやっているにもかかわらず(いや、それだからこそと言うべきか)これほど質の高いヴォーカル・アルバムに仕上がっているという事実は、驚き以外の何物でも無い。

山下達郎によるこの企画はシリーズ化され、確か「3」まで発表された。それぞれの意見はあろうが、僕はやはり最初に発表された「1」が最も好きである。どのアルバムも、達郎が愛して止まないアメリカン・ポピュラー・ミュージックの名曲たちが採り上げられているのだが、「1」に収録されている曲のライン・ナップが、きっと僕の好みに一番合っているからだろう。

③スパニッシュ・ハーレム⑨ブルー・ベルベットなどが特にお気に入りだ。しかし、このアルバム中のベストを選ぶとしたら、僕は迷わずに①ユー・ビロング・トゥー・ミーを推す。魅力的なメロディを持った美しいこのバラードを、僕は達郎の歌で初めて知った。そして最初に聴いた時から楽曲の魅力の虜になったのだ。

「See the pyramids along the Nile」という歌い出しもいい。遠い国にいる恋人を想う気持ち。離れているからこそ認識出来る、胸の底からわきあがってくる抑えきれない思い。そんな切なくもやるせない感情がひしひしと伝わってくるのである。
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by oldblues | 2005-12-11 01:16 | Pops

さよなら夏の日

b0008880_23145056.jpg洋の東西を問わず、夏を歌った曲はたくさんある。季節の持つイメージを反映してか、どちらかというとノリの良い明るい曲が多いようだ。
しかし一方で「夏の終わり」をテーマにした楽曲も多い。輝く陽光の季節を自らの青春に見立て、夏の恋が終わるように自分の中でひとつの時代が別れを告げて行く。そんな甘くほろ苦い感情を内省的に歌った曲たちだ。

ある意味、ひとつのジャンルを形成していると言ってもいいかもしれないこの手の曲は、普遍的な感情を歌っているが故に、ともすれば類型の罠に嵌ってしまう事がある。要するに、せっかくの永遠のテーマも薄っぺらなものになってしまい、共感を得られるほどに昇華された作品は、思ったよりも少ないと思うのだ。

そんな中で、山下達郎の「さよなら夏の日」は、そのあたりのツボをきっちり押えた名曲だ。アメリカン・ポップスを知り尽くした、達郎自身によるメロディの良さもさることながら、人生の哀切をそこはかとなく感じさせる歌詞がいい。

波打つ夕立のプール
飛沫を上げて
一番素敵な季節が
もう直ぐ終わる

時が止まればいい
僕の肩で呟く君 見てた

いくら永遠を願っても、季節が変わるように恋も若さも移ろって行く。そして、夏はまた巡ってくるけれど、失われた時代はもう2度と戻っては来ない。僕達は少しの悲しみを体験し大人になる。西の空に傾いた太陽・・・そしてその先を惜しみつつ。

この記事はn_ayadaさんのブログ「食べる・聴く」「夏はタツロー!」にインスパイアされて書きました。それにしても夏は始まったばかりなのに、「さよなら夏の日」は無かったかな?
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by oldblues | 2005-06-04 23:17 | Pops
b0008880_0454097.jpg前回グラム・ロックについて少し触れたが、音楽性などには全く関係無く、この「男性がメイクして」という共通項で括った場合、僕の中では下のような系譜が出来上がっている。(これは、あくまでも個人的な印象を書いているだけなので、当然ながら何の根拠も資料的な価値もありません)

元祖をアリス・クーパーとし、Tレックス→デヴィッド・ボウイ→KISS(ここでKISSまで行っちゃうところがいい加減)→ニューヨーク・ドールズ→カルチャー・クラブ・・・
そして僕は、新しい人が登場するたび、そのエスカレートして行くコスチュームやメイクの奇抜さに驚いていた。

KISSが出てきた時などは、もう絶対にこれ以上奇抜なメイクはあり得ないと思っていたが、カルチャー・クラブのボーイ・ジョージを見るに至って、その考えは撤回せざるを得なかった。
彼のメイクは、KISSのような、隈取を思わせる悪魔的な化粧ではなく、非常に正統的なもので、言われなければ絶対に男性とはわからないほどに美しい。そういう意味でも意表を衝かれたような気がしたのものだ。

そんなカルチャー・クラブだから、誰でも初めはヴィジュアルに気を取られてしまう。しかし彼等の音楽は意外にオーソドックスだ。キャッチーで親しみ易い楽曲は、イギリス伝統のブルー・アイド・ソウルの流れを継承していて破綻が無い。

彼等の曲の中で僕が一番好きなのは、カルチャー・クラブの存在を広く知らしめる事になったスマッシュ・ヒット「君は完璧さ」だが、アルバム全体の質の高さから言うと、2枚目の「カラー・バイ・ナンバーズ」が代表作と言えるだろう。
①カーマは気まぐれ から始まり、②イッツ・ア・ミラクル⑥タイム⑦チャーチ・オブ・ザ・ポイズン・マインドなど、どれを取っても良い曲ばかりで捨て曲は無い。彼らが80年代のイギリスを代表するバンドと言われるのも頷ける。

これは僕だけのことかもしれないが、80年代の音楽を聴くと、70年代に比べ何かキラキラ輝いているような印象を受ける。それはレコードがアナログからCDへ変化して行ったことや、テクノ・ミュージックの流行などとも関係があるかもしれない。

しかし、僕がそう感じるもう1つの大きな要因がカルチャー・クラブに有る。彼等の美しく楽しい、それでいてどこかほろ苦さを感じさせる楽曲の数々は、まさに上質のポップ・ミュージック、まさに僕にとっての80年代なのだ。
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by oldblues | 2005-05-30 00:49 | Pops

Ketch A Vibe

b0008880_049563.jpgJulie Dexterという歌手をご存知だろうか? その筋では有名なのかもしれないが、一般的な知名度はゼロに近い人ではないかと思う。
(注:その筋=Nu-JazzやNeo Soul通の方々 あ、「Nu-Jazzって何?」なんて聞かないで下さいね。はっきり言って僕もあまりわかってないので)

そんなマイナーな歌手をどうして知ったのかといえば、これはもう偶然としか言いようがない。数年前にMp3.comで遊んでいる時、リンクをたどって行きついたのが彼女のサイトだったというわけだ。

余談だが当時のMp3.comはよかったなあ。たくさんの素晴らしい音楽を試聴したりDLしたりできた。しかもそれがほとんど無料だったというのがすごい!リニューアルされて(オーナーも変わったのだろうが)再開してからは普通のサイトになってしまった。商売、商売。残念だけど仕方がない。

さて、話を戻してJulie Dexterだ。彼女はUKジャマイカンで現在はアトランタ在住である。自分が知らなかったので、新人だと思い込んでいたが、キャリアは想像していたよりも長い。90年代の前半にはシーンに登場し、なんと97年には来日も果しているという。おそらく一部の人の間では話題の存在だったのだろう。

様々なミュージシャンのレコーディングに参加し、コラボレーション・アルバムやオムニバス・アルバムなどは既に発表していたが、彼女名義のアルバム「Dexterity」が発売されたのは2002年11月のことである。(しかしこれはP-vineから出た国内盤の話なので、本国でいつリリースされたのかは定かではない)想像するのだが、そこにはいろいろ紆余曲折があったのだろう。

と、まあちょっとだけ資料っぽい事を書いてしまったが、これはこの記事を書くに当たって、少しはこういうのを入れないとカッコ付かないなと調べたまでのことで、実はこんな事はそれほど重要ではないのだ。だって、自分がその音楽を好きかどうかというのが最も大切ですからね。

で、最初に聞いたJulieの歌というのが、このアルバムに入っている「Ketch A Vibe」だったのだが、これを聴いて一発で彼女のファンになった。何が良いかというと、先ず声に魅力がある。セクシーで優しくて、とても広がりを感じる声だ。
声自体に魅力があるというのは、ヴォーカリストにとって大変な財産だが、彼女はそんな素晴らしい財産を持って生まれた、幸運で稀有な歌い手というわけだ。

この拙文を読んで、あなたがもし彼女に興味を持ったなら、「juliedexter.com」を訪れてみるといい。先に触れた「Ketch A Vibe」をはじめ、彼女の歌を何曲か試聴出来る。そしてあなたが、やっぱり彼女の声(歌)の虜になったら、その旨コメントしてください。
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by oldblues | 2005-05-06 01:05 | Pops

HEADQUARTERS

b0008880_1385160.jpg親戚のお姉さんがモンキーズを教えてくれた。僕は子供だったし、音楽、ましてや洋楽になど興味が無かったが、それでも彼らが出演するTV番組は充分に面白いものだった。

ザ・モンキーズはビートルズの人気に対抗し、アメリカでオーディションを行って結成された4人組だ。当時の宣伝文句に「ビートルズに対するアメリカの答えがこれだ!」というのが有った。また、必ずこのプロジェクトを成功させるという意思の元、実現はしなかったが、プロデューサーにレオン・ラッセルを予定したり、コンポーザーとしてキャロル・キングを起用したり、まさに「ショービジネスの本場アメリカの威信にかけて」という意気込みが感じられる。というか、単に商売上の理由のみだったのかもしれないが。

メンバーは女子に一番人気の、アイドル的存在だったディヴィ・ジョーンズ、幼いころから子役で「サーカス・キッド」などに出演していたミッキー・ドレンツ、ひょうひょうとしたキャラクターで、マルチ・プレイヤーのピーター・トーク、ちょっと大人っぽい感じで、後にファースト・ナショナル・バンドを結成する事になるマイケル・ネスミスだ。

このオーディションに応募した中には、スティーブン・スティルスやヴァン・ダイク・パークスもいたという。仮に彼らが選ばれていたとしたら、それがいいか悪いかは別として、モンキーズは全く別のバンドになっていたことだろう。

しかし、これは後年得た知識。当時はそんな事は知らない。毎週30分間の、夢有り笑い有りアクション有りのドラマの中で、モンキーズがストーリーに関係無く、唐突に歌い出す演奏シーンに面喰らいながらも、洋楽に全く関心の無い少年は、じょじょにではあるが、彼等の音楽に魅力を感じるようになっていったのだ。

その結成の経緯や、当初メンバーの演奏力があまり無かった事などから、モンキーズは批判の対象とされる事が多い。人気だけのアイドル・グループに過ぎないというわけだ。しかし彼等の残した何枚かのアルバムを聴いてみると、その楽曲の質の高さに驚かされる。どれを取ってもシングル・ヒットが期待出来るような曲がずらっと並んでいる。革新性や音楽性などではビートルズに敵わないにしろ、上質なポップ・バンドとしての彼らは、ポピュラー音楽史に大きな足跡を残す存在として、一定の評価と敬意を払われるべきであると思う。

いつしかモンキーズのファンになり、ヒット曲のメロディもいくつか覚えた頃、僕は彼等のアルバムを買おうと思いたった。と言っても小遣いの乏しい少年時代のこと、たった1枚のレコードを買うのにも非常な決心が要る。どのアルバムを買おうかと悩みに悩んだ結果「HEADQUARTERS」に決めた。

実はこの時に対抗馬があって、本当は「ゴールデン・ベスト」が欲しかったのだ。しかし当時の記憶を辿ると、「HEADQUARTERS」は14曲入りで1780円。「ベスト」の方は12曲入りで1980円であり、曲あたりの単価を計算すると前者の方がコスト・パフォーマンスが高い。とまあそういう理由から「HEADQUARTERS」購入を決定したのである。

懐かしいモンキーズに付いて書いているとつい入れ込んでしまい、前置きがずいぶん長くなってしまった。上に書いたようにこのアルバムに収録されているのは14曲(CDになって再発されたものは20曲入り)そのラインナップは

①You Told Me②I'll Spend My Life With You③Forget That Girl④Band 6⑤You Just May Be The One⑥Shades Of Gray⑦I Can't Get Her Off My Mind⑧For Pete's Sake⑨Mr. Webster⑩Sunny Girlfriend⑪Zilch⑫No Time⑬.Early Morning Blues And Greens⑭Randy Scouse Git

デビュー・アルバムなどに比べるとかなり実験的な作品も収められ、アイドルとしてだけではなく、ミュージシャンとしての存在もアピールしたいという、彼らの意思が表れているような気がする。大ヒット曲は無いが佳曲が多い。最大の聴きものは⑥Shades Of Gray(邦題 灰色の影)だろう。バックにはホルンや弦楽器なども起用され、スケールの大きい楽曲に仕上がっている。他にもピーターのオリジナルである①や、②③⑦⑬などもお勧め

このアルバムは僕が初めて買った洋楽のレコードということもあり、かなりの思い入れがある。当然冷静で客観的な評価は出来ないが、そういう部分を差し引いても良いアルバムだと言う事が出来る。

しかし若い人などで初めてモンキーズを聴くんだったら、やっぱしベスト盤を勧めるなあ(笑)
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by oldblues | 2005-04-24 01:47 | Pops

孤独(ひとり)

b0008880_0352933.jpgスザンヌ・ベガのこの2ndアルバムが発売されたのが87年だというから、思っていたよりもずっと新しかった。人間の記憶って当てにならないものだな。

結論から言うと、このアルバムに入っている曲は全部好き。どれをとっても良い曲ばかりだ。スザンヌ・ベガの透明感のある声や囁くような歌い方が好き。真っ直ぐな視点で世の中を見据えたような作品が好き。素直で優しく温かいメロディも大好きなのである。

80年代後半からわが国は好景気に沸きかえり、いわゆる「バブル経済」の中、爛熟というか狂乱というか、今考えてみるとずいぶん妙な時代だった(というか、現在はまた違った意味で「変」な時代ですけどね)
そんな中でネオ・アコースティック・ブームというのが起こり、物質文化に疲弊しきった人々のひび割れた心に、束の間の潤いと癒しを与えた。その重要な役割を果した一人がスザンヌ・ベガだと思う。確かに僕も彼女の歌を聴いてずいぶん心を慰撫されたものだ。

楽曲の中ではやはり、アカペラが新鮮だった①トムズ・ダイナー、虐待された子供の視点で歌われた②ルカ などが有名だろうが、先に書いたとおり他の曲も名曲ぞろいだ。いや「名曲」などという大それた表現は似合わないかもしれない。どれもこれも素直でシンプルで、それでいて何度聴いても飽きが来ない「佳曲」と言った方が適切かもしれない。

いずれにしても殺伐とした世相の現代において、誰もがこのアルバムを聴けば少しは世の中も良くなるかもしれない。そう思わせるような作品集である。
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by oldblues | 2005-03-07 00:40 | Pops