大好きな音楽の話をしたいな


by oldblues
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<   2005年 03月 ( 5 )   > この月の画像一覧

一触即発

b0008880_082760.jpg日本のプログレ・バンドといえば四人囃子だろう。そして、四人囃子といえば「一触即発」、「一触即発」といえば「おまつり(やっぱりおまつりのある街へ行ったら泣いてしまった)」だ。少なくとも僕の中ではそうなのである。
そりゃ、その後の作品にも素晴らしいものがある。音楽性の高さから言えば「GOLDEN PICNICS」の方が上かもしれない。シングルで発売された「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」も名曲だ。

だがしかし、それでも僕の中ではこのデビュー・アルバムが一番だと位置付けられている。それまで日本に本格的なプログレ・バンドが無く、満を持して登場したこのバンドが、真に優れた上質の音楽をもたらしてくれた驚きの印象が強いからかもしれない。

四人囃子は森園勝利のギターを中心とした、日本で最初のプログレッシブ・ロック・バンドである。(他にもあったけど、この際言いきっちゃう)卓越した技術と音楽性をもって登場し、当時のプログレ・ファンの度肝を抜いた。森園のギターは言うまでもないが、バンド全体のアンサンブルも良く、メンバーではないが作詞家として参加している末松康生の詩とのコラボレーションも素晴らしい。

それまでは「日本語でプログレなんて」と思っていたが、四人囃子はその既成概念を見事なまでに打ち破ってくれた。末松の詩は日常の中に垣間見える非日常の世界を描き出し、叙情的でスケールの大きい演奏と相まって、彼ら独自の世界を展開してみせたのだ。

余談だが、ギタリストの森園はやはりこのバンドで演奏するのが一番ハマっている。彼の才能は今さら言うまでもないが、四人囃子脱退後のフュージョン・バンドやソロ作品で聴く演奏は、彼にしてはどうも凡庸な気がする。

もちろん、だからといって彼の業績が貶められる事は無いのだが
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by oldblues | 2005-03-18 00:12 | 70's Rock&Folk(J)
b0008880_2130546.jpg郷ひろみは好きな歌手だ。好きな曲もたくさんあるが、特に気に入ってるのが「よろしく哀愁」である。
この曲の作詞は安井かずみ。作曲は筒美京平という強力コンビで、74年に発表された。

もっと素直に僕の
愛を信じて欲しい

という冒頭部分みたいに、僕は半音階ずつ(全てではないが)上がったり下がったりするメロディが好きだ。おまけに詩が切ない。この部分を聴くだけでコロっと参ってしまうのだ。

これは、同じジャニーズ系の後輩、田原俊彦の歌う「グッドラックLOVE」(81年)の

心変わりじゃないね
ひとり見つめるさよなら

という歌い出し部にも共通する。好みと言ってしまえばそれまでだが、このスケールのようなメロディが、詩の切なさに拍車をかけているような気がする。
が、しかし、こんなふうに感じるのは僕だけのことかもしれない。

この2曲の共通点は、歌い出しのスケールのようなメロディだけでは無く、詩の内容にもある。なんと言うか、若い男子特有の透明な哀しみ、青春期だけにある純粋な懊悩。そういったものが感じられるのだ。

そしてその系譜は、KinKi Kids「硝子の少年」に正しく受け継がれている。

雨が踊るバス・ストップ
君は誰かに抱かれ
立ちすくむぼくのこと見ない振りした

「よろしく哀愁」「グッドラックLOVE」「硝子の少年」、僕はこの3曲を、『ジャニーズ系3大正しい青春歌謡』と勝手に位置付けているのだが、さてどうだろう?
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by oldblues | 2005-03-12 21:33 | Various

孤独(ひとり)

b0008880_0352933.jpgスザンヌ・ベガのこの2ndアルバムが発売されたのが87年だというから、思っていたよりもずっと新しかった。人間の記憶って当てにならないものだな。

結論から言うと、このアルバムに入っている曲は全部好き。どれをとっても良い曲ばかりだ。スザンヌ・ベガの透明感のある声や囁くような歌い方が好き。真っ直ぐな視点で世の中を見据えたような作品が好き。素直で優しく温かいメロディも大好きなのである。

80年代後半からわが国は好景気に沸きかえり、いわゆる「バブル経済」の中、爛熟というか狂乱というか、今考えてみるとずいぶん妙な時代だった(というか、現在はまた違った意味で「変」な時代ですけどね)
そんな中でネオ・アコースティック・ブームというのが起こり、物質文化に疲弊しきった人々のひび割れた心に、束の間の潤いと癒しを与えた。その重要な役割を果した一人がスザンヌ・ベガだと思う。確かに僕も彼女の歌を聴いてずいぶん心を慰撫されたものだ。

楽曲の中ではやはり、アカペラが新鮮だった①トムズ・ダイナー、虐待された子供の視点で歌われた②ルカ などが有名だろうが、先に書いたとおり他の曲も名曲ぞろいだ。いや「名曲」などという大それた表現は似合わないかもしれない。どれもこれも素直でシンプルで、それでいて何度聴いても飽きが来ない「佳曲」と言った方が適切かもしれない。

いずれにしても殺伐とした世相の現代において、誰もがこのアルバムを聴けば少しは世の中も良くなるかもしれない。そう思わせるような作品集である。
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by oldblues | 2005-03-07 00:40 | Pops

またみつけたよ

b0008880_23381566.jpg友部正人の詩人としての力量は(別に僕などがここで書くまでもなく)既に多くの人たちから素晴らしい評価を得ている。そして僕も彼の作る詩の世界に魅せられた一人だ。

当時「シンガー・ソングライター」と呼ばれる人たちが多数出現し、いわゆるフォーク・ブームというのを作った。彼等の歌は当然ながら自作自演で、それまでの歌謡曲におけるプロの作品と比べると、稚拙ではあるかもしれないけれど、既存の歌には無い新鮮な言葉やメロディで僕らにある種の衝撃を与えた。

その中でも詩人として作品が「現代詩手帳」にも掲載されたほど評価されたのは、三上寛と友部正人が双璧だったのではないだろうか。もっともこの2人の作品はかなり方向性が違うけれど。

しかし楽曲における詩というのは、いわゆる文学としてのそれとはいささか趣を異にする。文章にした物を読むのと違い、そこにはメロディや演奏、また歌い手の声質などが複雑に干渉し合う。なので、単に優れた詩というだけで聴き手に感動を与えるわけではないのだ。

では友部の作品はどうかというと、少なくとも僕にとっては非常な驚きと感動をもたらした。とは言え、彼の作るメロディが特別に優れたものであったというわけではない。だが、ぶっきらぼうとも言える彼の歌唱スタイルや、シンプルなメロディに乗せて歌われる(語られる)トーキング・ブルースは、その言葉を際立たせるという意味で、技巧的なメロディよりで歌われるより、むしろ適切だったと思うのだ。

現代の吟遊詩人に例えられる彼の作品には名曲がたくさん有る。デビューアルバム「大阪へやってきた」の「まるで正直者のように」「まちは裸ですわりこんでいる」2枚目「にんじん」の中の「一本道」。その他にも「誰もぼくの絵を描けないだろう」「すっぱい雨」「トーキング自動車レース・ブルース」「サキソフォン」「どうして旅に出なかったんだ」など枚挙に暇がない。

収録された曲の水準が粒ぞろいであるということからすれば、やはり「にんじん」が一番かもしれない。でも僕は敢えて「またみつけたよ」を推したいのだ。このアルバムを購入して初めてターン・テーブルに乗せ、1曲目の「反復」を聴いた時の衝撃を忘れられないから。

このぼくを精一杯好きになっておくれ
そして今度の夏がきたらさっさと忘れておくれ

ああ、これはまさにロックン・ロールだ!
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by oldblues | 2005-03-06 23:43 | 70's Rock&Folk(J)

ガムをかんで

b0008880_1195947.jpgディランⅡというバンドが有った。もともとは大塚まさじ、永井よう、西岡恭三の3人で「ザ・ディラン」を始めたのだが、途中で西岡が抜け、「ザ・ディランⅡ」となったのだ。

それにしても「ディランⅡ」というのは、考えてみればすごいバンド名である。当時の音楽をやっている若者達のほとんどがボブ・ディランを敬愛していたように、大塚まさじや永井ようもよほどディランのファンだったのだろう。

彼らの代表作としては誰もが「プカプカ」「サーカスにはピエロが」を挙げるだろうが、もうひとつ、このアルバムに収録されている「ガムをかんで」も代表曲に加えたい。その叙情的な詩や大塚まさじの個性的なヴォーカル・スタイル、美しいハーモニーなどからして、名曲と呼んで何の差し障りもない作品だ。


ザ・ディランⅡは「街」を歌える稀有なバンドだったと思う。ここで言う「街」というのは無機的な都会という意味ではなく、もっと生活感のある、地に足が付いた街のことだ。そしてそれは都市生活者としての僕らの原風景なのだ。
なんだかわけのわからん理論を振りまわしているように聞こえるかもしれないが、彼らの歌をじっくり聴けば、この感じはわかってもらえるに違いない。

もちろんこのアルバムは「ガムをかんで」だけではない。珠玉のような曲がたくさん入っている。②茶色い帽子⑥パラソルさして⑧悲しみは果しなく などが僕のお気に入りだが、他にも③君はきっと⑦夕映え(インストルメンタル)⑨すてきな季節に など、彼ら独自の世界を構築している。
彼らのピュアな魂から紡ぎ出される楽曲の数々は、僕らの共感を誘う。それとと共に、聴く者の心を浄化してくれるだろう。
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by oldblues | 2005-03-02 01:39 | 70's Rock&Folk(J)