大好きな音楽の話をしたいな


by oldblues
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<   2005年 05月 ( 8 )   > この月の画像一覧

b0008880_0454097.jpg前回グラム・ロックについて少し触れたが、音楽性などには全く関係無く、この「男性がメイクして」という共通項で括った場合、僕の中では下のような系譜が出来上がっている。(これは、あくまでも個人的な印象を書いているだけなので、当然ながら何の根拠も資料的な価値もありません)

元祖をアリス・クーパーとし、Tレックス→デヴィッド・ボウイ→KISS(ここでKISSまで行っちゃうところがいい加減)→ニューヨーク・ドールズ→カルチャー・クラブ・・・
そして僕は、新しい人が登場するたび、そのエスカレートして行くコスチュームやメイクの奇抜さに驚いていた。

KISSが出てきた時などは、もう絶対にこれ以上奇抜なメイクはあり得ないと思っていたが、カルチャー・クラブのボーイ・ジョージを見るに至って、その考えは撤回せざるを得なかった。
彼のメイクは、KISSのような、隈取を思わせる悪魔的な化粧ではなく、非常に正統的なもので、言われなければ絶対に男性とはわからないほどに美しい。そういう意味でも意表を衝かれたような気がしたのものだ。

そんなカルチャー・クラブだから、誰でも初めはヴィジュアルに気を取られてしまう。しかし彼等の音楽は意外にオーソドックスだ。キャッチーで親しみ易い楽曲は、イギリス伝統のブルー・アイド・ソウルの流れを継承していて破綻が無い。

彼等の曲の中で僕が一番好きなのは、カルチャー・クラブの存在を広く知らしめる事になったスマッシュ・ヒット「君は完璧さ」だが、アルバム全体の質の高さから言うと、2枚目の「カラー・バイ・ナンバーズ」が代表作と言えるだろう。
①カーマは気まぐれ から始まり、②イッツ・ア・ミラクル⑥タイム⑦チャーチ・オブ・ザ・ポイズン・マインドなど、どれを取っても良い曲ばかりで捨て曲は無い。彼らが80年代のイギリスを代表するバンドと言われるのも頷ける。

これは僕だけのことかもしれないが、80年代の音楽を聴くと、70年代に比べ何かキラキラ輝いているような印象を受ける。それはレコードがアナログからCDへ変化して行ったことや、テクノ・ミュージックの流行などとも関係があるかもしれない。

しかし、僕がそう感じるもう1つの大きな要因がカルチャー・クラブに有る。彼等の美しく楽しい、それでいてどこかほろ苦さを感じさせる楽曲の数々は、まさに上質のポップ・ミュージック、まさに僕にとっての80年代なのだ。
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by oldblues | 2005-05-30 00:49 | Pops

ブギーのカリスマ

b0008880_21583037.jpg今では既に死語になってしまっているが、70年代当時「グラム・ロック」と称される1分野があった。「グラム」は英語の「glamourous(魅惑的)」から来ているもので、化粧を施した男性が、大仕掛けな舞台で金ピカの衣装を着て歌っていれば、それがグラム・ロックと呼ばれたのだ。要するに見た目で分類されたジャンルなので、音楽的特長というようなものは無い。そして、グラム・ロックの代表がTレックスであり、デヴィッド・ボウイであり、ロキシー・ミュージックだった。

グラム・ロックのアーティスト達は、その先鋭的なファッションと共に語られる事が多かったので、硬派のロック・ファンだった僕は、グラム・ロックなんてルックスを売り物にしたアイドル的存在にすぎないのだと、初めは思っていた。特にマーク・ボランは見た目にもカッコ良くて、女の子達に絶大な人気が有ったので、やっかみ半分だったのかもしれない。

そんな僕の偏見を覆したのがTレックスの「ゲット・イット・オン」(「電気の武者」収録)だった。ラジオから流れてきたこの曲を聴き、誰が演奏しているかは知らないまま、その曲の虜になったのだ。
この曲は単純なスリーコードのブギーでありながら、妙に頽廃的で官能的な雰囲気をたたえ、それまでの音楽にはなかった独特の魅力に溢れていた。そしてこの感じが、まさにTレックスの音楽を構成する最も重要な点であると思う。

僕は、演っているのがTレックスだと知り、それまでの自分の不明を恥じた。彼らは単なるアイドル・バンドじゃなく、真の才能を持ったアーティストなのだと悟ったわけだ。

そして僕の中で「ゲット・イット・オン」と並ぶ、いやそれ以上に好きなTレックスのナンバーが「メタル・グルー」だ。この曲は「スライダー」(写真)の4曲目に収録されている。アルバム中には全英1位となった⑧テレグラム・サムも入っているのだが、僕的には「メタル・グルー」がベスト・チューンだ。

スライダーのジャケット写真は、あのリンゴ・スターが写したものだという。リンゴも早くからTレックスの良さを見抜いた1人だったのだろう。

このジャケットに写っているマーク・ボランを眺めながら「メタル・グルー」を聴く。
気分はまさに72年だね。
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by oldblues | 2005-05-28 22:02 | Old Rock

East-West

b0008880_1181467.jpgロック・ミュージックが世界を席巻する少し前の時代。もともとは黒人の音楽であるブルースの魅力にとりつかれた、若い白人ミュージシャン達がいた。それがブルース・ブレイカーズであり、ローリング・ストーンズであったりするわけだ。
彼等のやっている音楽は「ブルース・ロック」などと呼ばれ、ひとつのジャンルを形成するほどだったが、何故かブルース・ロックのバンドは圧倒的にイギリスに多かった。

しかし、ブルースの本場アメリカの白人達の中にも、ブルースに惹かれ「ブルース・ロック」をやっていた連中がいないわけではない。その代表選手と言えるのがポール・バターフィールド・ブルース・バンドだ。

このバンドは、リトル・ウォルターに直接教えを受けたという、白人ハーピストのポール・バターフィールドが中心となり、マイク・ブルームフィールドやエルヴィン・ビショップといった白人ミュージシャンと、ハウリン・ウルフのバックを務めたという黒人ミュージシャンが一緒になった、人種混成バンドだった。

「East-West」はそんな彼等が65年に発表した2枚目のアルバムである。曲目はブルースのカバーが多いが、タイトル曲の「East-West」は彼等のオリジナルで、演奏時間が13分以上という大作だ。ブルースを基本とした上にロックのスピリッツを加え、途中で展開される火の出るようなインプロヴィゼーションの応酬は、ロック史上に残る名演の1つだと言ってもいいだろう。

マイクの刻むリズムに乗せたエルヴィンのギター・ソロから始まり、バターフィールドのハープ、マイクのギターとソロが受け継がれる。やがて3人を中心とした演奏は複雑に絡み合い、お互いに刺激しあって、それまでに到達し得なかったほどの高みまで昇っていく事になるのだ。

ここでのマイクのギターは東洋的な旋律を取り入れ、それまでのブルース・ロックには無かった、新たな可能性を切り拓く事となった。こういう実験的な試みは往々にして上手く行かないものだが、この曲については非常な成功を収めている。まさに稀有な例だと言えるだろう。

余談だが、あのエリック・クラプトンですら「ブルースをより深く理解している」という意味で、マイクのギターにはコンプレックスを抱いていたという。そんな逸話を抜きにしても、彼のギターが素晴らしいのは言うまでも無いが、この「East-West」を聴けば、その理由が文句無しで納得出来るだろう。
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by oldblues | 2005-05-22 01:22 | Old Rock

黒い安息日

b0008880_22155348.jpg70年代、ツェッペリンやパープルと並んで影響力のあるハード・ロック・バンドがブラックサバスだった。このバンドも歴史が長く、メンバー・チェンジを繰り返しながら現在に至るまで活躍している。途中、ロニー・ジェイムス・デュオとかイアン・ギランなどを迎えてやっていた事もあるが、僕にとってのブラックサバスは、やはり1枚目から4枚目までだ。

僕にはオカルト趣味がないので、サバスが何故こういうコンセプトで売り出したのかはわからない。メンバーにオカルト・マニアがいたからという説があるが、おそらく最も大きな理由は、商業的に成功させるための手段だったということだろう。
しかし、そういう事(黒魔術崇拝・オカルト趣味など)に興味が無くても、サバスの音楽は充分にエキサイティングで素晴らしいと断言出来る。かつてこれほどまでにヘヴィなサウンドのバンドは無かった。

このアルバムは、邦題「黒い安息日」として70年に発売された、彼等のデビュー・アルバムだ。ご覧の通り、ジャケット・デザインからして既におどろおどろしい雰囲気を漂わせている。
レコードをターン・テーブルに乗せると、激しい雨の音に雷が混ざり、そこに陰鬱な鐘の音が鳴り響く。やがて暗くて重いリフが始まり、聴き手は一気にサバスの世界へとトリップしてしまうのだ。

特筆すべきはやはりオジー・オズボーンの歌とトニー・アイオミのギター。歪んだ音のタメの利いたギターサウンドに、あのオジーの独特の歌声が入ってくると、ああこれがサバスの音楽なんだと妙に納得してしまう。

収録曲の邦題も凝っていて

①黒い安息日
②魔法使い
③眠りのとばりの後に
④N.I.B.
⑤魔女よ,誘惑するなかれ
⑥眠れる村
⑦警告
⑧悪魔の世界

と、いかにも禍々しいが、⑤などは彼らには珍しく軽い感じで、なかなか聴き易いナンバーだ。
しかし、この中で僕が好きなのは①④⑧。特に⑧(原題:Wicked world)はイントロのリフを聴くだけで乗ってくるという優れた楽曲だ。確かシングルにもなっているはずだから、聴けばお馴染みという感じかもしれない。

以前、レコードがアナログからCDに変った時、それまでに比べてあまりにも細部まで音が粒だって聴こえるので、驚いたものだった。だが、この「黒い安息日」などは、あのアナログのモワっとしたサウンドで聴いた方がしっくりくるかもしれない。

いや、これは個人的な思い入れですけどね
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by oldblues | 2005-05-15 22:19 | Old Rock

僕を忘れないで

b0008880_0353469.jpgニルソンといえば直ぐに、大ヒットした「Without you」と、映画「真夜中のカウボーイ」で使われた「うわさの男」を思い出す。僕のニルソン観といえばその程度である。しかし一般的な音楽ファンとしては標準的な反応ではないだろうか?
そんなあまり熱心なファンと言えない僕でも、彼のアルバムを1枚だけ持っている。それが写真の「プッシー・キャット」だ。

なぜ僕がこのアルバムを手に入れたかといえば、ジャケットにジョン・レノンが写っているからだ。いい年をしたおじさん2名が、子猫のコスチュームでドール・ハウスの中に収まっているのは、これはこれで妙な可愛さがある。ちょっと奇を衒ったようなデザインだけど、ニルソンの音楽の特徴の1つである諧謔性を表しているようで面白い。

主人公のニルソンと並んでジャケットに顔を出し、名前も印刷されているように、このアルバムはジョンがプロデュースしている。ニルソンの作品としては代表作ではないだろうが、個人的な評価として、その内容は決して悪くないと思う。

収録されている曲はカバー曲が多く、その中には有名な「ラストダンスは私に」「Many rivers to cross」なども入っているが、どの曲を歌っても自分の物にしてしまうというあたり、さすがにヴォーカリストとしての実力をうかがわせるものがある。

余談だが、彼はヴォーカリストとしてだけでなく作曲家としても大いなる才能を持ちながら、ヒットした曲はほとんどがカバー曲というのも面白い。このブログを読んでいる方には周知の事実かもしれないが、「Without you」をバッドフィンガーのカバー曲だと知っている人は、案外少ないのではないだろうか?

さて、このアルバムの中から今回紹介したい曲が「Don’t forget me」(これはニルソンのオリジナル)である。これまた「アルバムを代表する曲」とは言い難いが、僕はこの曲がとても気に入っているのだ。

曲の内容は「僕を忘れないで」という恋人に向けての語りかけで、「僕が癌になって死んでしまっても、僕を忘れないでいてくれるかい?」という詩は、若い自分にはずいぶん女々しい感じにも思えた。しかし、自分がじょじょに年を取ってきたせいか、今ではそんな気持ちがよくわかるのである(苦笑)
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by oldblues | 2005-05-15 00:38 | Old Rock

LOVESONGS

b0008880_2212637.jpg「反戦フォークの旗手」「フォークの神様」と呼ばれ、いつしか伝説のシンガーになった岡林信康には、シーンから姿を消していた時期があった。
やがて彼はカムバックすることになるのだが、その間に彼の中でどのような変化があったのかはわからない。おそらくは、音楽活動を停止し自然の中で自分を見つめ直す間に、偶像としての自分や貼られたレッテルから脱却する事に成功したのだろう。

プロテスト・ソングから出発し、ロック、演歌、エンヤトット、と次々に変化してきた彼からすれば、ここで採り上げた「LOVESONGS」というアルバムは、もしかしたら1つの通過点に過ぎないのかもしれない。だが僕は、このアルバムこそが、彼の長いキャリアの中でもベストと呼ぶに相応しい作品だと思うのだ。(この数年前に発売された「金色のライオン」も良いですがね)

1.Mr.Oのバラッド
2.みのり
3.からっぽの唄
4.五年ぶり
5.ラブ・ソング
6.カボチャ音頭
7.男30のブルースよ
8.ベイビー
9.花火

①は彼の自伝的な歌。高石友也に影響されて歌を始め、紆余曲折を経て現在に至るまでの経緯が、生ギター1本の演奏で淡々と語られる。②みのり⑨花火 は彼の子供達に対する語りかけの形式を取りながら、人間としての生き方や過去について考えさせられる名曲だ。

全ての収録曲が名曲と言っても過言では無いほどに質の高いアルバムだが、その中でも僕のイチオシはやはり⑤の「ラブ・ソング」だ。世の凡百のラブソングなら「君を愛している」「君を守ってあげる」と歌うところだがこの曲は違う。

人間は、最も愛する人に対しても、常に100%の愛情を注ぐことは出来ない。時には腹を立てたり、面倒くさくなったり、お互いの愛情に自信が持てなくなったりする事があるものだ。この曲ではそんな素直な心情をストレートに歌い上げている。本当に素直に正直に自己の感情を吐露しているので、それが聴く者の気持ちを打つのだろう。

ここまで書いてきて改めて思うのだが、このアルバムの楽曲は全て、岡林のピュアな気持ちを感じさせるものばかりだ。気負いや衒いも無く、ただありのままの無垢な魂がそこにある。そういう意味でこの作品は、「ジョンの魂」に優るとも劣らない価値があるのだ。

余談だが⑤や⑧にはバックでムーンライダーズが、⑥にはダウン・タウン・ブギ・ウギ・バンドが参加している。このあたりの演奏も聴き物である。
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by oldblues | 2005-05-08 22:06 | 70's Rock&Folk(J)

Ketch A Vibe

b0008880_049563.jpgJulie Dexterという歌手をご存知だろうか? その筋では有名なのかもしれないが、一般的な知名度はゼロに近い人ではないかと思う。
(注:その筋=Nu-JazzやNeo Soul通の方々 あ、「Nu-Jazzって何?」なんて聞かないで下さいね。はっきり言って僕もあまりわかってないので)

そんなマイナーな歌手をどうして知ったのかといえば、これはもう偶然としか言いようがない。数年前にMp3.comで遊んでいる時、リンクをたどって行きついたのが彼女のサイトだったというわけだ。

余談だが当時のMp3.comはよかったなあ。たくさんの素晴らしい音楽を試聴したりDLしたりできた。しかもそれがほとんど無料だったというのがすごい!リニューアルされて(オーナーも変わったのだろうが)再開してからは普通のサイトになってしまった。商売、商売。残念だけど仕方がない。

さて、話を戻してJulie Dexterだ。彼女はUKジャマイカンで現在はアトランタ在住である。自分が知らなかったので、新人だと思い込んでいたが、キャリアは想像していたよりも長い。90年代の前半にはシーンに登場し、なんと97年には来日も果しているという。おそらく一部の人の間では話題の存在だったのだろう。

様々なミュージシャンのレコーディングに参加し、コラボレーション・アルバムやオムニバス・アルバムなどは既に発表していたが、彼女名義のアルバム「Dexterity」が発売されたのは2002年11月のことである。(しかしこれはP-vineから出た国内盤の話なので、本国でいつリリースされたのかは定かではない)想像するのだが、そこにはいろいろ紆余曲折があったのだろう。

と、まあちょっとだけ資料っぽい事を書いてしまったが、これはこの記事を書くに当たって、少しはこういうのを入れないとカッコ付かないなと調べたまでのことで、実はこんな事はそれほど重要ではないのだ。だって、自分がその音楽を好きかどうかというのが最も大切ですからね。

で、最初に聞いたJulieの歌というのが、このアルバムに入っている「Ketch A Vibe」だったのだが、これを聴いて一発で彼女のファンになった。何が良いかというと、先ず声に魅力がある。セクシーで優しくて、とても広がりを感じる声だ。
声自体に魅力があるというのは、ヴォーカリストにとって大変な財産だが、彼女はそんな素晴らしい財産を持って生まれた、幸運で稀有な歌い手というわけだ。

この拙文を読んで、あなたがもし彼女に興味を持ったなら、「juliedexter.com」を訪れてみるといい。先に触れた「Ketch A Vibe」をはじめ、彼女の歌を何曲か試聴出来る。そしてあなたが、やっぱり彼女の声(歌)の虜になったら、その旨コメントしてください。
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by oldblues | 2005-05-06 01:05 | Pops

ICE

b0008880_1252389.jpg「I can see your house from here」は、イギリスのプログレッシブ・ロック・バンド、キャメルが70年代終わり頃に発表したアルバムだ。彼等の代表作ということになれば、おそらく「Snow Goose」や「Moon Madness」という事になるのだろうが、プログレ・ファンではない僕としてはちゃんと聴いたことがない。にもかかわらず、こんなところでキャメルについて勝手な事を書いている。ファンの皆様にはどうも申し訳ありません。

そんな僕が何故このアルバムを聴く事になったかといえば、キャメル好きの友人に勧められたからである。そして、その友人がどうしてこれを僕に聴かせたかというと、それは名曲「Ice」が収録されているからなのだ。
つまり「これを聴けばお前もキャメルが好きになるに違いない」というわけである。

友人から借りたレコードをターン・テーブルに乗せ、それを聴き始めた僕は、B面の最後の曲が始まると、それまで読んでいた本を横に置き、じっと聴きいる事になった。そして、それからその曲だけを何度も何度も繰り返して聴いたのだ。

アルバムの最後を飾るそのインスト・ナンバー「Ice」は、10分を超える大作である。(まあ、プログレではこんなの普通かもしれないけど)だが、その素晴らしさゆえに、演奏時間の長さは微塵も感じられない。むしろもっと長く、できれば永遠に演奏を続けてもらいたいような気持ちになる。
静かな導入部からじょじょに盛り上がり、やがては白熱のインプロビゼーションが炸裂する事になるのだが、タイトルに反してその演奏は熱い。

ゆったりと大きくうねるようなグルーブ感。ドラマチックな展開。着実なテクニックに裏打ちされた自由に飛翔する演奏。この曲を聴くと1篇の叙事詩を読み終わったかのような気持ちになる。
そして僕は、このアルバムはまさに「Ice」1曲のために存在しているのだと思ってしまう。

こういう事を書くと「お前はキャメルが、いやプログレがわかっていない」というお叱りを受けるかもしれない。でも、少なくとも僕にとってはそうなのだ。
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by oldblues | 2005-05-02 01:33 | Old Rock