大好きな音楽の話をしたいな


by oldblues
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Tuesday's Gone

b0008880_2326736.jpg今日は散々な一日だった。肉体労働を伴う作業をやったこともあり、心身ともに疲れ切った。
で、今夜はまさにA hard day’s nightなのだ。

ぬるめのシャワーで汗を流した後、湯船に使って手足を伸ばす。体中の筋肉(いや、贅肉か?)がギシギシと悲鳴を上げる。熱いお湯の中に、今日一日の疲れが溶けて流れて行くようだ。

風呂から上がって冷たいビールを飲む。扇風機の風に当たって汗を冷ます。いい音楽を聴いて、今夜はもう寝てしまおう。

そんなわけで今聴いているのが、レイナード・スキナードのデビュー・アルバムだ。73年の作品で、アル・クーパーがプロデュースし、演奏にも参加している。

これがデビューとは思え無い程の余裕。果てしなく広がっていく大らかなサウンド。ゆったりとしていながらも、ぐんぐんと突き進んで行くようなグルーブ感が伝わってくる。

ああ、サザン・ロックっていいよね。オールマンズもいいけどレイナード・スキナードもいい。こういう音楽を聴いていると、体の奥から自然な活力が湧いて来るように思えるのだ。

このアルバムから1曲を選ぶとしたら、それはやっぱり最後を飾る「Free bird」だろう。楽曲自体が素晴らしいのに加え、間奏で火花を散らすインプロビゼーションは圧巻だ。

でも、今夜の気分は「Tuesday's Gone」なのである。美しいメロディに土臭いヴォーカル。ああ最高のバラードだ。
去って行った恋人を歌った寂しい内容だけど、こういうふうに淡々と歌われる時、諦観を伴った、より深い哀しみが感じられる。

Tuesday's Gone
そして、とにかく僕のヘヴィな火曜日も終わる
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by oldblues | 2005-06-28 23:33 | Old Rock

Blue bayou

b0008880_12221881.jpg70年代のウエスト・コーストを代表する女性シンガー、リンダ・ロンシュタットの8作目に当たる、78年発表のアルバムが「夢はひとつだけ」だ。
「ロスの歌姫」と呼ばれ、アメリカを代表するシンガーの1人となった彼女だが、その地位を不動のものにしたのがこのアルバムであり、僕も大好きな作品なのである。

先ずはジャケット写真がいい。彼女のアルバムでは「Hasten Down The Wind」と双璧をなしていると思う。余談だが、本アルバムはグラミー賞のデザイン賞を受賞しているという。また、これだけではなく見開きの写真も、リンダ本人はもとより、「リンダファミリー」とでも言うべきミュージシャン達に囲まれ、和やかな雰囲気で製作されたのであろう感じが伝わってきて、非常に良い感じだ。

アルバムはバディ・ホリーの「イッツ・ソー・イージー」で幕を開ける。ノリの良いミディアム・テンポのロック・ナンバーで、バックの小気味良い演奏が素晴らしい。特にワディ・ワクテルのギターが冴え、リンダの歌も伸びやかで気分良さそうだ。1曲目で既に、聴く者の心を鷲掴みにしてしまう。そんな役割を充分に果すオープニングである。

リンダという人は基本的に自分で曲を作らないので、必然的に他の人が提供した曲や、既存曲のカバーが中心となる。そして、リンダ本人が選んでいるのかどうかは知らないが、その選択のセンスが素晴らしいのだ。最近の作品ではジャズや、父のルーツであるメキシコ音楽に取り組んだアルバムを発表しているが、このカバー曲中心というスタンスは変わらない。

「夢はひとつだけ」の中で「イッツ・ソー・イージー」と同時代の曲を採り上げたのが、⑥ブルー・バイユーだ。この曲のオリジナルはロイ・オービソンだが、原曲と違ってカントリー・フレイバーの濃いアレンジがなされている。僕はオリジナルよりもこちらを先に聴いたという経緯もあり、リンダの「ブルー・バイユー」の方が優れていると思う。まあ、このあたりは好みの分れるところだろうが、それほどに完成度の高い作品に仕上がっているということだろう。

バイユーというのは、米国南部の沼状の水域を指した名称で、実際には「ブルー」ではないらしい。しかし、ここでの「ブルー・バイユー」があまりにも美しい楽曲なため、バイユーを見た事の無い僕は、とても美しい風景を想像してしまう。リンダのヴォーカルもしっとりした感じで、曲に合ってるんじゃないだろうか。彼女がシャウトすると、どうもヒステリックな感じに聞こえてしまい、実はあまり好きではないのである。
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by oldblues | 2005-06-26 12:25 | Old Rock
yujiさんのブログ『「あいだ」にあるもの』の「生活のBGM」を読んでこれを書きました。

洋楽を聴き始めたのは中学生の頃だった。ながら勉強の傍らにトランジスタ・ラジオを置き、深夜放送を聴いていたらなんとなく好きになったのだ。メロディやサウンドに惹かれたというのもあるし、歌謡曲よりもポピュラー音楽の方が、おしゃれでカッコよく思えたからというのも理由のひとつだった。

洋楽を聴くようになり、今まで知らなかった未知の世界が開けたような気がした。ビルボードのチャートを話題にする事で、まわりの友人達よりも少し大人になったような優越感を持つ事が出来たのだ。

しかし僕には語学力が無く、英語の歌を聴いても、何を歌っているのかはわからなかった。わかるフレーズといえば、それこそ「I love you」くらいだった。
辞書を片手に歌詞カードを熟読し、なんとか詩の内容を理解しようとした。でも、苦労して自分で訳した歌詞は、きっと見当違いのでたらめなものだったと思う。

時代は下って僕は大人になり、知っている単語の数も少し増えた。だけど実はいまだに「I love you」しか理解できないままだ。
でも僕は思うのである。歌詞などわからなくたっていいのではないか、と。

誰か偉い人が言っていたのだけれど「全ての優れた芸術には寓意性がある」のだそうだ。
外国語である英語の歌を聴き、「I love you」という唯一理解可能な言葉を頼りに自分勝手な解釈を展開する。歌い手の声や表情から類推してドラマを作り上げ、イメージを飛翔させる。そんな音楽の聴き方・楽しみ方は、彼の偉人の言葉と照らし合わせれば、ある意味正しい姿勢なのではないだろうか。

詭弁としてでは無く、僕はけっこうマジでそう思うのである。
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by oldblues | 2005-06-23 00:47 | Various

MUSICAL BATON

33歳東京暮らし」のroadman1971さんからバトンがまわってきた。これは「MUSICAL BATON」というブログ上の企画で

>音楽をリレーのバトンのように回して、音楽の輪を広げていこうという企画

なのだそうだ。

予め決められた5つの質問に答えるとともに、受け取ったバトンを次の5人に渡すと言う事だが、roadman1971さんも書かれているように、5人はちょっと多いんじゃないだろうか?それにバトンを渡された方の中にも困っちゃう人もいるかもしれないし・・・

ということで熟慮の結果、敢えてバトンは回さない事にします。主催者の方、申し訳ありません。あなたが始めた事をチェーン・メールと同一視しているわけでは決してありませんが、上に述べたような理由で。

とは言うものの、僕自身はこういうの嫌いじゃない。という事で、質問の解答には参加させて頂きます。

1)コンピュータに入ってる音楽ファイルの容量
CDから取り込んだものが526M、ネットで落としたものが2.12G。この中にはずいぶん以前に集めていたゲーム音楽などのMIDIファイルも含まれる

2)今聴いている曲
昨日Download.comで落としたばかりの「Reasoning」(Ja'Quay)を聴いている。ジャンルはContemporary R&B。聴いていて耳に心地良い曲。Downloadcomは無料で楽曲がDLできるので愛用している。とにかく無料に弱いのです。


3)最後に買ったCD
ちょっと古いが「Lover's Live」(Sade)この直前に発売された「Lover's Rock」よりも、こちらの方が断然いい!

4)よく聞く、または特別な思い入れのある5曲
この質問はものすごーく難しい。その時の気分によっても変わるし。まあ仕方ないので無理矢理に選ぶけど、あくまでも現在の気分、そして順不同。

①夕陽は赤く(加山雄三)
②シー・ユー・イン・セプテンバー(テンボズ)
③ジャニスの祈り(ジャニス・ジョプリン)
④シー・ケイム・イン・スルー・ザ・バスルーム・ウィンドウ(ビートルズ)
⑤愛し過ぎて(オーティス・レディング)

いや~~、やっぱり選べません

5) バトンを渡す5名
最初に書いたような理由で、敢えてバトンを渡すのは自粛します。
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by oldblues | 2005-06-19 01:20 | Various

雨の日には

b0008880_2346137.jpgさすがに入梅して以来、ぐずついた天気が続いている。雨のシーズンなので、それにちなんで雨に関連する曲を採り上げようと思い、いろいろ迷った。
古今東西、雨をテーマにした曲は多く、そのものズバリ「雨」というもあるし、「雨を見たかい」「悲しき雨音」など、少し考えればいくらでも思い付く。
また歌謡曲の世界においては「雨の赤坂」「雨の御堂筋」「京都の雨」など、特に演歌系の歌のタイトルで「雨+地名」というのがひとつのパターンになっているようだ。

そんな中で今回選んだのが、内藤洋子「雨の日には」だ。若い人にはあまり馴染みが無いかもしれないが、往年の映画スターで、ものすごい人気があったのだ。喜多嶋舞のお母さんと言った方がわかりやすいかもしれない。しかし、画像を見てもわかるように、お母さんの方が喜多嶋舞の100倍魅力的だ(と思う^^;)

タモリ倶楽部の廃盤アワーなどで、常に高額ランキングに登場していた「白馬のルンナ」というシングル盤がある。「雨の日には」はそのB面、いや両A面の曲なのである。両方とも舟木一夫主演の映画「その人は昔」の挿入曲として使用され、もちろん内藤洋子自身が歌っている。

はっきり言ってどうでもいいような曲だし、内藤洋子の歌も決して上手いとは言えない(というよりもすごく下手)
でも、この年頃の少女だけが持つリリシズムや、透明感のある儚い美が感じられ、これはこれでアリなのではないかと思う。というか、本当の事を言うと、内藤洋子をアイドルにしていた僕としては、ものすごく好きな曲の1つなのだ。

雨の日には軒を伝う雨だれの
一番綺麗な雫を欲しいと思うの

あなたのために
あなたのために
あなたのために

ああ叱られてみたい またあなたに
叱られてみたい この私

記憶だけで書いているので少し違っているかもしれないが、だいたい歌詞はこんな内容だ。これを読んで胸がキュンとなる人は・・・ある世代よりも上の方だけだろう(笑)

しかし内藤洋子は単なるアイドルではなく、女優としてかなりの存在感を持っていた。当時の僕は子供だったので、彼女の映画をそれほどたくさん観たわけではないのだが、「伊豆の踊り子」などは最高のハマり役だったのではないだろうか?
この青春映画の名作については、美空ひばり、吉永小百合、山口百恵が主演した作品もそれぞれ観ているが、やはり内藤洋子に優る人はいなかったと思う。

*異議受け付けません(笑)
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by oldblues | 2005-06-18 23:51 | Various
b0008880_061118.jpg世の中は自分の思うように進むとは限らない。そんな事は分かっているのだ。でも僕はわがままな性格だから、物事が自分の望むようにならないと、とたんに不機嫌になってしまうのである。

例えば小学校の頃、遠足の日に雨なんかが降ってしまうことがある。楽しみにしていた行事が中止になるのはひどく残念な事だ。万に一つの望みを抱きつつ、おそるおそる学校に行くとやはり中止。おまけに授業があるなどということになったら、これは最悪だ。世の中を呪い、自分の不運を嘆き、地団駄を踏みたくなる。この際、地球が破滅してしまえばいいとすら考えてしまう。

しかしこれは誰のせいでもない。たまたま遠足の日が雨になった、それだけのことなのだ。自然現象が味方してくれなかったにすぎず、別段誰かが悪い事をしたからでも、日頃の心がけが悪いからというのが原因なのでもない。分かっているのに、チヂに乱れる自分の精神状態を持て余してしまうことになる。この幼児性、いい加減になんとかならないものだろうか。

だからといって、みんなのまえで心の動揺を曝け出すことも耐えられない。幼児性を持ったわがまま人間であるとともにシャイなのである。いや、シャイなどと言ってしまうのはどうも恰好が良すぎるな。要するに卑小な人間のクセに、自分を偉く思わせたいのだ。つまりアホですな。

どうしてこんなことをくどくど書いているかというと、仕事に行き詰っているのだ。半ばヤケクソというか、ゲシュタルト崩壊しかけているのである。これを読んでいる方々にはどえらい迷惑な事だろう。勘弁してください。現在、普通の精神状態ではないのです。
しかしこれは自然現象のせいには出来ない。自らの能力の無さのせいだ。それを思い知らされ、情けなさに慄然とする。トホホ・・・

こんな時は布団をかぶって寝てしまうに限る。いや、その前に音楽でも聴いて、少しでも気分転換をしようと思う。何を聴こうかといろいろ考えた。普通ならこんな時はブルースを聴くのが常套手段だ。でも今夜の僕にはブルースは重すぎるような気がする。

そうだ。今夜はゴンチチにしよう。ヒーリング・ミュージックの大御所を聴いて癒されよう。「修学旅行夜行列車南国音楽」これを聴いてさっさと寝てしまうのだ。

明日は明日の風が吹く
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by oldblues | 2005-06-14 00:11 | Various

冒険王

b0008880_0453138.jpg南佳孝といえば、都会のお洒落な恋愛を歌うシンガーというイメージが強い。だが、この「冒険王」は、いささか趣を異にしている。このアルバムはタイトルやジャケットのイラストが示すように、少年の夢や冒険、ファンタジーの世界をテーマにして作られた、ある種のトータル・アルバムなのだ。曲の一つ一つは、それぞれが独立した楽曲として完成されているのだが、通して聴くと統一されたイメージが湧いてくる。まあ、そんな感じの作品なのである。

①オズの自転車乗り②80時間風船旅行③素敵なパメラ④カムバック⑤ピース⑥浮かぶ飛行島⑦火星の月⑧宇宙遊泳⑨真紅の魔都⑩スタンダード・ナンバー⑪黄金時代⑫冒険王

と、収録された楽曲のタイトルを並べてみても、そういう感じが伝わってくる。SFありファンタジーありで、山川惣治の絵物語の感覚に非常に近いものがある。これはもちろん意図されたものに違いないが、作詞のほとんどを手がけた松本隆や南佳孝が、世代的な共通のノスタルジーを具現化したいと願った結果ゆえの企画であろうと推察される。

アルバム中、最も有名なのは⑩スタンダード・ナンバーだろう。これは薬師丸ひろ子がカバーしているのだが(メイン・テーマ)、オリジナルとは歌詞が違い、ひとつのテーマを男女が違う立場で歌うという興味深い趣向を取っている。

僕自身のお気に入りは、軽やかでポップなメロディを持った①、キャッチーな③、学生運動華やかな時代を歌った、ほろ苦い印象の⑤などだ。しかし、どれか1曲を推薦するとしたら、やはりアルバムタイトルにもなっている⑫冒険王を選ぶ。メロディ、詞、少し大仰なアレンジなど、どれをとってもアルバムのラストを飾るに相応しい、まさに「王」と賞賛すべきナンバーなのである。

密林に浮かぶ月
川岸の野営地で手紙を記すよ
元気だと書きながら
もう2度と会えぬかもしれないと思う

伝説の魔境に明日旅立つ
古い地図を胸に抱いて
黄金郷(エル・ドラド)探す

君を愛してる わかるだろう
もしも帰れなくても泣かないでくれよ

黒豹の瞳が闇を走る
ガイドさえも震え上がる禁断の国へ

君を愛してる わかるだろう
もしも帰らなければ忘れてくれよ

どうです?この叙情性。僕は少年時代を思い出し、もうなんだか泣けて来てしまうのだ。
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by oldblues | 2005-06-13 00:56 | J-POP

b0008880_102111.gifCHABOこと仲井戸麗市は、キャリアの長いミュージシャンだ。古井戸、RCを経てのソロ活動。また麗蘭や他ミュージシャンとのジョイントなど、常に第一線で活躍し続けてきた。その間、ずっと彼の音楽を聴いてきたが、僕が本格的にCHABOファンになったのは、ソロ・アルバムを聴いてからかもしれない。

古井戸やRC時代の仲井戸は、僕の中ではあくまでもギタリストに過ぎなかった。たまに歌う場面があっても、それはライブでのファン・サービスであったり、ギタリストの余技という印象を超えるものでは無かった。
だが、85年のソロ1作目「THE 仲井戸麗市 BOOK」を聴いてからは考えが変わってしまった。つまり、それまでの「渋くて巧いギタリスト」だけではなく、「個性的なヴォーカリスト」「独自の世界を紡ぎ出すソング・ライター」という評価が加わったというわけだ。

仲井戸麗市の作り出す世界は、同世代の僕にとってはとても懐かしく、とても居心地のよいものとして映る。ドロップ・アウトした不良少年が音楽の魔力に憑かれ、当時流行ったロックや、ブラック・ミュージックをたっぷり吸収して大人になる。しかし、その頃に培った価値観や体制に対する怒りは、現在に至るまでずっと継続している・・・そんな気がする。
年齢を経て、その表現は直接的なものから、より深い「文学的」とでも表現するべきものへと進化した。だが、根底に流れるスピリッツは、当時と何ら変わっていないと思う。

さて、タイトルの「絵」は、90年に発表されたCHABOの2作目で、ソロ・アルバム中、僕の最も好きな作品だ。最初の曲「ホームタウン」の「ジェファーソン・エアプレインに飛び乗って緑の広場に着陸できたら 風と月のCafeでお茶でも飲もう」という歌詞が始まると、そこはもう仲井戸麗市の描く水彩画の世界になる。

②夜のピクニック⑦慕情⑧ねぇHISAKO~自由の風⑩ホーボーへ(アメリカンフォークソングへのレクイエム) ⑫潮騒などがお気に入りだが、アルバム中白眉と呼ぶべき楽曲は⑨エピローグ だろう。この曲の何処が良いのかを伝えるのは、僕の文章力では不可能に近いが

たかが知れてる社会に たかが知れてる自由さ
けちな都をうつむき歩く 俺もたかが知れてる
去り行く君に エピローグを捧げよう

誰を責めても虚しい 昨日を悔やんでも意味がない
けちな都で浮いてる 痩せた空元気も虚しい
去り行く君に エピロ-グを捧げよう

という歌詞の一節を読んでもらえれば、つまらない解説は不要なのではないだろうか?仲井戸麗市はホンモノだ。つまり言いたいのは、それだけの事なのである。
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by oldblues | 2005-06-12 01:04 | J-POP

さよなら夏の日

b0008880_23145056.jpg洋の東西を問わず、夏を歌った曲はたくさんある。季節の持つイメージを反映してか、どちらかというとノリの良い明るい曲が多いようだ。
しかし一方で「夏の終わり」をテーマにした楽曲も多い。輝く陽光の季節を自らの青春に見立て、夏の恋が終わるように自分の中でひとつの時代が別れを告げて行く。そんな甘くほろ苦い感情を内省的に歌った曲たちだ。

ある意味、ひとつのジャンルを形成していると言ってもいいかもしれないこの手の曲は、普遍的な感情を歌っているが故に、ともすれば類型の罠に嵌ってしまう事がある。要するに、せっかくの永遠のテーマも薄っぺらなものになってしまい、共感を得られるほどに昇華された作品は、思ったよりも少ないと思うのだ。

そんな中で、山下達郎の「さよなら夏の日」は、そのあたりのツボをきっちり押えた名曲だ。アメリカン・ポップスを知り尽くした、達郎自身によるメロディの良さもさることながら、人生の哀切をそこはかとなく感じさせる歌詞がいい。

波打つ夕立のプール
飛沫を上げて
一番素敵な季節が
もう直ぐ終わる

時が止まればいい
僕の肩で呟く君 見てた

いくら永遠を願っても、季節が変わるように恋も若さも移ろって行く。そして、夏はまた巡ってくるけれど、失われた時代はもう2度と戻っては来ない。僕達は少しの悲しみを体験し大人になる。西の空に傾いた太陽・・・そしてその先を惜しみつつ。

この記事はn_ayadaさんのブログ「食べる・聴く」「夏はタツロー!」にインスパイアされて書きました。それにしても夏は始まったばかりなのに、「さよなら夏の日」は無かったかな?
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by oldblues | 2005-06-04 23:17 | Pops
b0008880_1175018.jpgずいぶん以前、マジック・サムを採り上げた時にも同じような事を書いたんだけど、デルマークというシカゴのインディペンデント・レーベルが持っている、ブルースの名盤を復刻したシリーズが発売された事が有った。

このシリーズは1回に付き10タイトルほどがリリースされ、確か何回か続いたという記憶がある。今考えると本当に名盤がたくさんあって、ブルース初心者としては、このシリーズと出会えたのはずいぶんラッキーだったなと思う。

そしてこのシリーズから、マジック・サムの「ウエストサイド・ソウル」と共に手に入れたのが、今回ご紹介するジュニア・ウェルズ「フードゥー・マン・ブルース」なのだ。

ジュニア・ウェルズといえば、忘れちゃいけないのがバディ・ガイ。今やおしもおされぬブルース・ギタリストの第一人者としての貫禄を誇るバディ・ガイだが、ここではあくまでもバッキングに徹している。
もちろん彼本来の鋭く切り裂くようなギター・ソロは健在なのだが、必要以上に前に出ず、ジュニア・ウェルズの歌を引き立てる事を第一義としているように思える。このあたりが、彼等のコンビネーションが絶妙だと評価される由縁ではないだろうか。

さて、ジュニア・ウェルズの歌はかなり個性が強い。もともとブルースという音楽自体アクが強いのに、彼の歌い方はその中でもまたアクの強い方だと思う。そのため初めはとっつき難い感じがするし、どうしても好きになれないという人もいるかもしれない。だが、慣れてくればそのアクの強さは麻薬的魅力に変わるのだ。

彼のハープについては、リトル・ウォルターほど流麗なテクニックがあるわけではないし、サニーボーイのような深みがあるわけでもない。だが、その泥臭いハープが個性的なヴォーカル・スタイルとシンクロする時、唯一無二の輝きを発する。

アルバムは最高にファンキーなナンバー「スナッチ・イット・バック・アンド・ホールド・イット」で幕を開ける。もうこの曲を聴いただけでいきなりノリノリだ。それ以降の②シップス・オン・ジ・オーシャン④ハウンド・ドッグ⑥ヘイ・ロウディ・ママ⑦フードゥー・マン・ブルース⑩ユー・ドント・ラヴ・ミー・ベイビーなど、本当にゴキゲンな演奏が続く。さすが名盤としての評価に恥じない、素晴らしい内容である。

彼は映画「ブルース・ブラザーズ2000」出演後しばらくして鬼籍に入った。また1人偉大なブルース・マンがこの世からいなくなったわけだが、彼の遺した輝かしい作品群は今も、そしてこれからも、その輝きを曇らせる事は無いであろう。
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by oldblues | 2005-06-03 01:19 | Blues