大好きな音楽の話をしたいな


by oldblues
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Bloom

b0008880_21143299.jpg「Bloom」はエリック・ジョンソンの新作で先月リリースされたばかり。スタジオ録音としては「Souvenir」を除くと「ヴィーナス・アイル」以来という事になるので、実に9年ぶりだ。もっとも「ヴィーナス・アイル」自体が前作から9年ぶりの発売だったので、この人はかなり寡作なアーティストだと言える。力もキャリアもあるんだから、もう少したくさんの作品を発表して欲しいものだと思うが、それだけ作品を丁寧に練り上げているということなのだろう。

アルバムを通して聴いてみると、ノリの良いロック・ナンバーからカントリー&ウエスタン、果ては民俗音楽まで、非常に幅広い音楽を採り入れているのがわかる。強いて言えば、前作よりもジャズっぽい演奏が増えているようだが、そのどれもがうまく消化され、聴く者に違和感を起こさせないのはさすがである。

独特の音色で奏でられるリリシズム溢れる演奏も健在で、どの曲も安心して聴いていられる。しかしこの人の作品は、激しいのも静かなのも、インストも歌入りも、どんな曲も爽やかで透明感があるのは何故だろうな?

1.Bloom
2.Summer Jam
3.My Back Pages
4.Good To Me
5.Columbia
6.12 To 12 Vibe
7.Sea Secret
8.Sad Legacy
9.From My Heart
10.Cruise The Nile
11.Tribute To Jerry Reed
12.Your Sweet Eyes
13.Hesitant
14.Sunnaround You
15.Magnetized
16.Ciel

現段階で僕としてのお気に入りは8.9.12.13などだ。購入して日が浅いので、まだそれほど何度も聴いてはいない。今後聴き込んで行くうちに、自分自身の感覚がどのように変化して行くのか楽しみだ。つまり「何度も聴こう」という気持ちを起こさせるだけのアルバムなのである。
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by oldblues | 2005-07-24 21:13 | Rock
とある方から譲り受けて、「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ・ライブ・イン・ジャパン」の映像を観る機会に恵まれた。例の映画が予想外のヒットとなり、アルバムも売れた勢いに乗っての来日コンサートで、2000年8月、渋谷オーチャード・ホールで開催された時のものだ。

映画やCDでお馴染みのメンバーが登場し、達者な演奏を繰り広げる。中でも圧巻だったのが、当時71歳の歌姫、オマ-ラ・ポルトオンドの歌。それに、ルベン・ゴンザレスのピアノだ。

ルベン・ゴンザレスは高齢のため足元が覚束なく、メンバーの一人に手を引かれての登場だ。それがピアノの前に座ったとたん、見事にリズムに乗った演奏を始めるのである。よちよちとしか歩けなかった老人に、なぜこんなことが出来るのか?全く、長年培われたミュージシャンとしての経験と、ラテンの血がそうさせるのだとしか言いようがない。

ソロがどんどん高音部に移動して行き、これ以上鍵盤が無い所まできて、手がピアノからはみ出してしまうパフォーマンスなど、きっと若い時からずっとやってきたのだろう。この日のライブでも観客にはかなりウケていた。
そのルベン・ゴンザレスも2003年には鬼籍に入ったという。改めて冥福を祈りたい。きっと天国でも素敵なピアノを弾いているのではないだろうか。

オマーラ・ポルトオンドに関しては「貫禄」の一言。アップ・テンポの曲で踊りながら登場したかと思うと、手を振り足を上げての大サービス。それも歌いながらというところが尋常ではない。おまけに息が乱れる素振りも見せないし声量も豊かなのだ。
誰もが知っている名曲「キサス・キサス・キサス」では客を煽り、それに応えた観客の中にも立ち上がって踊り出す人が続出。これはなかなか見物だった。

このライブを観て思ったのは、彼等みんなが骨の髄からミュージシャンであるという事。そして、彼等こそが真のエンターテイナーであるという事だ。
これまでの長い人生の中で起きたのは、必ずしも幸福な事ばかりではなかったに違いない。しかし彼等はそんな暗さを微塵も見せず、今、この極東の地で心から楽しそうに音楽をプレイする。これは感動的だ。僕はなぜか涙が出た。
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by oldblues | 2005-07-23 23:34 | Latin

ヴィーナス・アイル

b0008880_0432974.jpgキャリアも実力も有り、優れた作品も発表しているのに、今ひとつ人気がブレイクしないというミュージシャンがいる。エリック・ジョンソンなどは、さしずめその代表選手のような人ではなかろうか?

そうは言っても、もちろんロック・ギター好きの間では、エリック・ジョンソンはかなり知られた存在だ。だが、彼の創り出す珠玉の音楽を聴いていると、もっともっと一般的な知名度が上がってもしかるべきだと感じる。彼のギターを知らないなんて、音楽ファンとして本当に損をしていると思えて来るのだ。

かくいう僕も、エリックを知ったのはかなり最近になってからだ。それまでは、雑誌などでよく名前を見かけるので気になってはいたが、実際に聴いた事は無かった。そんな矢先「ヴィーナス・アイル」が新アルバムとして発表されたので、いい機会だと思ってCDを購入したのが初めだったから、96年頃ということになるのだろうか。

アルバムを聴いて先ず圧倒されたのが美しい音色、美しい楽曲、破綻の無い流麗なプレイである。技術的に相当高度な事をやっているはずだが、彼が弾くとそれほど難しいように聴こえない。スポーツなどでも、名選手のプレイは、素人にはファイン・プレイが普通のプレイのように見えるというが、まさにエリックのギターはそういう名人芸に通ずる所が有る。

彼の演奏を聴いていると、ギタリストというよりも、精緻な細工を創り出す工芸家のように思える。きっと真面目で常に研究を怠らない職人のような気質の人なのだろう。そういう意味では、ジェフ・ベックとはまた違ったタイプの「ギター求道者」という感じだ。

【収録曲】
1.ヴィーナス・アイル
2.勝利の戦い
3.君のすべて
4.S.R.V.
5.孤独の夜
6.マンハッタン
7.キャメルズ・ナイト・アウト
8.ソング・フォー・リネット
9.朝の光の中で
10.パヴィリオン
11.ヴィーナス・レプリーゼ

バラツキが無く、どの曲も水準以上の出来栄えだ。強いて言えば同じテキサス出身のスティーヴィー・レイ・ヴォーンに捧げられた④のブルースが興味を惹かれるところである。

そういえばエリックの新作「Bloom」が最近リリースされたのだった。こちらの方は未聴だけど、当然ながら大いに興味が有る。明日はCDショップ行ってこようかな。
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by oldblues | 2005-07-17 00:44 | Rock

ミコちゃんと僕

b0008880_22564822.jpgn_ayadaさん主催のブログ「食べる・聴く」に、弘田三枝子に関する記事が掲載されていた。それに触発されて僕も彼女の事を書きます。

人生で最初に好きになった女性歌手、それが弘田三枝子だ。もちろん「人形の家」で再デビューする以前の少女時代の彼女である。勉強机の前の壁に、雑誌(「平凡」や「明星」)のグラビアから切り抜いた写真をベタベタと貼り付け、両親からこっぴどく叱られて泣く泣く剥がしたのも懐かしい思い出だ。デビュー当時の彼女は14~15才だったから、「歌が上手くて可愛いお姉さん」と憧れていたのかもしれない。

僕は硬派な?小学生だったので、テレビの歌番組なんて絶対観なかった。ましてや女性歌手のファンになるなんて思いもよらないことだった。それがどうしてミコちゃんに関心を持つようになったのか?記憶は定かではないが、おそらく当時大ヒットしていた「ヴァケーション」のインパクトがかなり強かったからではないだろうか。

「ヴァケーション」はもともとシングルのB面として発売されたが、A面をはるかに凌ぐ大ヒットとなった。「V-A-C-A-T-I-O-N 楽しいな!」という歌い出しは、今でも多くの人が記憶していることだろう。
それまでのわが国には、ヴァカンス礼賛などというコンセプトの歌は無かったはずだ。それなのにこの曲が人口に膾炙したのは、「頑張って働き、物質的に豊かになりたい」という、高度経済成長前夜の大衆の願望にマッチしたからだと思う。

そこへもってきて、弘田三枝子のキャラクターは底抜けに明るく、はちきれんばかりに健康的だった。豊かさが幸福だと信じて疑う事を知らなかったその頃の人々にとって、ミコちゃんの歌はまさに「明るい未来」を象徴していたのだ。

もちろん弘田三枝子の人気は、そのイメージによるものだけではない。歌唱力は抜群だし、「パンチのある歌い方」というコピーは、彼女のために作られたのではないかと思われるくらい迫力があった。要するに、かなりの存在感があり、スターとしての天性の素質を持っていたのである。

この頃、「ポップス」というのは外国のものであり、それを日本語に訳したのを日本人歌手が歌うというのが一般的だった。ニール・セダカやヘレン・シャピロやコニー・フランシスを直接聴くのではなく、坂本九や森山加代子やザ・ピーナッツを通してポピュラー・ソングを聴き始めた人がほとんどだったのだ。
僕の場合も当然そういう経路を辿ったわけで、その後も音楽を聴き続ける大きなきっかけとなったのが弘田三枝子の存在だったと言える。

彼女は一時シーンから消えた後、見事なカム・バックを果し、歌謡曲からジャズまで歌える実力派シンガーとして、現在に至るまで息の長い活動を続けている。しかし僕にとっての弘田三枝子は、やはり60年代ポップスを日本語で歌うあの頃の「ミコちゃん」だ。ご本人やファンの方には申し訳ないが、未だに当時の彼女が最も光り輝いていたと思えるのである。
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by oldblues | 2005-07-16 23:00 | Various

Try (Just a little bit harder)

b0008880_23305126.jpg実はジャニスのアルバムの中で一番好きなのは「コズミック・ブルースを歌う」なのだ。もちろん「チープ・スリルズ」や、遺作となった「パール」でのパフォーマンスも素晴らしく、甲乙つけ難いのは分かっている。だから、あくまでも僕個人の好みという意味でなのだけれど。

ここでの演奏は、前作(チープ・スリルズ)における、あの破天荒とでも言うべき、暴走するようなエナジーが欠如しているように聴こえるかもしれない。しかしその評価は多分に皮相的だ。彼女の歌は一段と表現力を増し、更なる高みへとステップ・アップしている。大人しく聴こえるのは、単にライブとスタジオ録音の差にしか過ぎない。迸る感情を適度に抑制している事により、より深みを増した、緊張感溢れる表現が可能になっているのだ。

曲のライン・ナップも良い。①Try (Just a Little Bit Harder)②Maybe③One Good Man④As Good as You've Been to This World⑤To Love Somebody⑥Kozmic Blues
⑦Little Girl Blue⑧Work Me, Lord と、こうやって改めて見返してみると、全てが名曲・名演のオン・パレード!お気に入りを選ぶとしてもとても選びきれないほどだ。

個人的にもこのアルバムへの思い入れは強いので、客観的に評価する事はできないかもしれない。何しろあんまり何度も聴いたものだから、レコードがシャリシャリになってしまい、アナログ時代に2枚目を買ったくらいなのだ。

だんだん年を取り、最近なんだか草臥れてきている。しかしジャニスを語る時、僕は少年時代に戻ったように心がときめくのを感じる。既に亡くなってから何十年にもなるのに、彼女はこうして現在の僕に対しても影響力を発揮し続ける。

そうだよね。草臥れてる場合じゃないんだよね。
Try …Just a little bit harder
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by oldblues | 2005-07-11 23:33 | Old Rock

水色の街

b0008880_172813.jpgスピッツは大好きなグループだ。発売されたアルバムを全て持っているというほどではないが、カラオケで彼等の曲を20曲以上歌える程度のファンではある。

最初僕は彼等の事を、軟弱な歌を歌うバンドと思って敬遠していた。それはまあ、マサムネ君の爽やかな風貌と、あのハイ・トーンで歌われる、親しみやすいキャッチーなメロディに欺かれていたわけだ。しかし曲をよく聴いてみると、それがとんでもない誤解であったことに気づかされるのである。

スピッツの魅力は、やはり草野マサムネの作り出す楽曲にある。平易だが、組み合わせの妙から紡ぎ出される言葉の数々(そしてその中には少しの毒が忍ばされてある)。それが「草野ワールド」とも言うべき、独特の優しいメロディに乗せて歌われる時、哀しいほどの叙情性が生まれるのだ。

「水色の街」は2002年、「ハネモノ」と同時期にリリースされた。そして僕はこの曲こそが、先ほど述べたようなスピッツの魅力を、余すところなく表出した名曲だと思っているのである。

綺羅星の如く有る彼らの楽曲の中からこれをチョイスする理由は、もしかしたら個人的な思い入れからのみなのかもしれない。いわゆる「ツボにはまる」というやつである。しかし、歪ませた音色のギターがイントロのコードを鳴らし「川を渡る 君の住む街へ」と歌い出される時、何度聴いても背筋がゾクゾクっとなるのを禁じえないのだ。

川を渡る 君の住む街へ
会いたくて 今直ぐ
泥まみれの靴で 水色のあの街へ

ここで歌われるのはピュアでストレートな愛情だ。1秒だって離れていたくないという彼女への想い――大人になってしまった今ではもう持ち得ない打算のない愛だ。

詩、メロディ、アレンジ、演奏、ヴォーカルなど、どれをとっても全てが完璧で文句の付けようがない。この曲を聴くと、周りが濃い水色に包まれる。そして、いつも泣きたくなってしまうのだ。
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by oldblues | 2005-07-09 01:11 | J-POP

いろはにこんぺいとう

b0008880_021118.jpgデビュー当初から「天才」の名を欲しいままにしていた矢野顕子。その溢れんばかりの才能と惜しげも無く放射されるオーラ、独特のヴォーカル・スタイルなどから、彼女を敬遠する向きもあるようだが、今では世界的なアーティストとして評価されている。

そんな彼女の77年発売のアルバムが「いろはにこんぺいとう」である。名盤では無いかもしれないが、僕にとってはかなり愛着のある作品だ。

タイトル曲は、「いろはにこんぺいとう、こんぺいとうは甘い・・・」という、例の遊び歌をモチーフにしたものだ。わらべ歌のように可愛らしい曲に思えるが歌詞はけっこうシビア。童謡やわらべ歌の中には残酷な内容のものがあるが、そういう意味でもこの曲は、わらべ歌の伝統をきちんと踏襲しているのかもしれない。

④「ほうろう」はご存知細野さんの曲。小坂忠やオザケンで有名だが、矢野顕子バージョンはまた違った味わいが有って面白い。ちなみに⑥「相合傘」も細野作品である。

当時の読売ジャイアンツの人気選手、柳田への讃歌⑤「行け柳田」はご愛嬌として、石川セリ作詞の⑧「昨日はもう」、矢野顕子としてはオーソドックスな感じのする⑨「家路」はいい曲だ。特に僕は「家路」が大好きで、歌詞の

さあもう帰ろうか仕事もようやく終えたし
小さな温もりが僕を待っている
さあもう帰ろうか仕事もようやく終えたし
小さな温もりにしがみつくために

という部分にはいつもドキっとさせられる。一見、小市民的な感情に対するアンチテーゼかのようにも思えるが、僕は必ずしもそうは受け取らない。否定する感情と肯定する感情がないまぜになり、揺れ動く想念の軌跡。そこに一種のアイロニーが生まれているところが素晴らしいと思う。

この当時、矢野顕子はまだ二十歳そこそこだったはずだ。しかし、その若さにしてこんな曲が歌えるなんて・・・やっぱり天才の名は伊達じゃないよね。
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by oldblues | 2005-07-08 00:25 | 70's Rock&Folk(J)

みんな孤独な夜を迎える

自分がいやになってしまうことがある。自分はなんて価値の無い人間なんだろう、なんて最低なんだろうと自己嫌悪に陥る。そんなことは誰にでもあるのではないだろうか?
別にノイローゼとか鬱病じゃなくても、気持ちが落ち込む事はよくある。そしてそれは実に些細な、下らないことが原因だったりするのだ。

例えば仕事でちょっとした失敗をする。例えば恋人と仲たがいをする。ブルーな気持ちになって、気分転換をしようと友人に連絡を取るが、そういう時に限ってみんな用事があったりして、付き合ってくれる人は誰もいない。

普通の精神状態であれば「なんだか今日はツキがないな」と済ませてしまえる程度の事なのに、落ち込んでいる場合はそうはいかない。孤独感に囚われ、世間から疎外されているような気持ちになる。全ての人から嫌われているように思える。そしてそれらはみんな自らの不徳の致す所であり、ツキの無い事すら自己の責任のように思えてしまう。

こんな時、人はいったいどうしたらいいのだろう?酒を飲んで泥酔するか、布団をかぶって不貞寝するか、はたまたビルの屋上から飛び降りるか?

こんな時、僕はブルースを聴く事にしている。ブルースは僕の苦しみや哀しみを相対化してくれる。「今まで悩んでいたのは、こんなにつまらない事だったのか」と気づかせてくれる。辛い思いをしているのは、世界中で自分1人というわけではなく、自分よりも遥かに幸福な境遇にあると思われるあの人も、この人も、みんな眠れぬ夜を過ごす事があるのだということに思いあたらせてくれるのである。
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by oldblues | 2005-07-03 00:49 | Various