大好きな音楽の話をしたいな


by oldblues
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My Love

b0008880_0155361.jpg数あるポールの名盤の中でも「RED ROSE SPEEDWAY」が一番好きな理由は、やっぱり「My Love」が入っているからかもしれない。最強のラブ・バラードと呼んでも差し支えないこの曲は、現在世の中に流通している全てのラブ・ソングの人気投票を行ったとしたら、確実にベスト・テンの上位にランクされることだろう。(じゃ他の9曲は何だと考えるのも一興であるが、それはまた別の機会に譲るとして)

しかし、今となっては完全にスタンダードになってしまったこの曲は、あまりに何回も聴き過ぎたので、いささかマンネリというか、手垢の付いた印象が付いて回らないでもない。しかし改めて聴き直してみれば、その群を抜いた質の高さが感じられ、ポールのメロディ・メーカーとしての才能が結実した、宝石のような楽曲だという事がわかる。メロディ、アレンジ、ヴォーカル、演奏、どれをとっても申し分ない。

特に間奏のギターはパーフェクト。聴く度に「この曲にはこのギターでなくてはならない」と思わせられる。目立ち過ぎず抑えた感じの演奏ながら、歌の持つ情感をより引き出すための触媒のような存在になっている。文句無しの名演だ。

しかし「RED ROSE SPEEDWAY」は、決して「My Love」だけのアルバムでは無い。他にもいい曲がたくさん収録されているのだ。いかにもポールらしい小粋なセンスの4. Only One More Kissやポールお得意のメドレー(9)など聴き所は多い。

でも僕のフェイバリットは5. Little Lamb Dragonflyである。アコースティックなイントロから始まり、詩情溢れる演奏が淡々と、しかし確実に盛り上がっていく。
この曲を聞いていると、まるで美しい印象派の絵画を眺めているような、豊かで優しい気持ちになってくる。まさにポールの面目躍如とでも言うべき1曲なのだ。
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by oldblues | 2005-11-29 00:19 | Old Rock

True Colors

b0008880_0545764.jpg同じ頃にデビューしたマドンナよりも、僕はシンディ・ローパーの方が好きだった。ルックスの面では多少負けているかもしれないが、シンディの方がより強くロック・スピリッツを感じさせてくれたからだ。

そんな彼女のセカンド・アルバム「True Colors」は、デビュー・アルバムに比べて地味な印象がある。だが、この作品もまた1枚目に負けず劣らず良い曲が収録されているのだ。
1) Change Of Heartや、ご存知6)What's Going On、7)Iko Ikoなどがお気に入りだが、アルバム中の白眉は、やはりシングル・ヒットした「True Colors」だろう。

シンディ・ローパーと言えば、最近でこそ「落ち着いた大人の女性」という雰囲気だが、当時はその奇抜なファッションや派手なパフォーマンスから、陽気でぶっ飛んだロック・シンガーというイメージが強くあった。しかしそういう陽気なシンディも、「True Colors」を歌う内省的なシンディも、どちらも本当の彼女なのだ。

人間を単純に一元的なイメージだけで決めつける事は出来ない。人は、言うなれば複雑な多面体のようなものであり、ひとつひとつの面は独自の色を持ちながら刻々と変化して行く。そしてそのどれもが「True Colors」だと言えるのではないだろうか。

この曲を聴いてそんな事を考えた。
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by oldblues | 2005-11-20 00:54 | Rock

1986年のマリリン

b0008880_2314236.jpg今さらという感じではあるが、僕も本田美奈子さんの訃報に接し驚いた一人である。難病で入院しているという事は知ってはいたが、病床からミニ・アルバムをリリースするというニュースも入ってきていたし、必ず復活するであろうと信じていただけに残念でならない。心からご冥福をお祈りする次第である。

とは言っても僕は熱心なファンというわけでも無いし、考えてみると彼女の事はほとんど何も知らない。
アイドル歌手としてデビューし、後年ロックやミュージカルにも活動範囲を広げ、女優としても活躍していた。そして今年の初めに突然、急性骨髄性白血病で入院・・・と、まあこの程度である。
そんな僕がなぜ彼女の死にショックを受けたかというと、ニュースなどで伝え聞く彼女のけなげで前向きな闘病ぶりに感銘を受け、いつしか心密かに応援するような気持ちになっていたからだ。

余談だが、仕事で京都へ行っていた頃H君とという仲間がいた。彼の宴会での持ちネタが、本田美奈子の初期のヒット曲「1986年のマリリン」をカラオケで歌う事だった。シャツの裾を捲り上げてヘソ出しルックになった彼が、腰をくねらせ声を裏返して「マリリ~~~ン!」と絶叫するたび、会場は爆笑の渦に包まれたものだった。そして僕はこの哀しみが同居しているようなパフォーマンスが好きだった。

こんな事を書いても本田美奈子の供養にはならないだろう。逆に彼女のファンからお叱りを受けるかもしれない。でも僕は今、H君の歌う「1986年のマリリン」をもう一度聴きたくて仕方がないのだ。
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by oldblues | 2005-11-13 23:19 | 音楽以外の話

音楽の時間

子供の頃、音楽はあまり好きではなかったように思う。いや、聴くのは好きだったかもしれないが、歌ったり楽器を演奏したりするのが苦手だった。おまけに楽譜も読めないから、音楽の時間はかなり苦痛だったのだ。それに現在と違って、ピアノやバイオリンはお金持ちの、それも女の子がすることだと思っていたふしもある。

小学校の音楽の授業ではこんな思い出がある。先ず生徒達に行進曲(アメリカン・パトロール)を聴かせ、その後おもむろに先生が「この曲を聴いて何をしているところを想像するか?」という質問をされたのだ。
明るく軽快な曲調に、僕は「音楽に調子を合わせ、床をホーキで掃除している女性」を思い浮かべた。なので早速手を挙げ「掃除をしている様子!」と答え爆笑された。

多分先生は「行進をしているところ」という答を期待していたのだろう。なるほど、教科書のそのページを見ると、それらしき説明が書かれている。
だが僕は傷ついた。先生は「何をしているところを想像するか?」と質問したではないか。「行進」という答えを正解とするなら「何をするために使われる音楽か?」と尋ねるべきではないか。何をしているところを思い浮かべるなんて、それはもう個人の感性の問題であって、正解などあるはずがない。どんな場面を想像しようが自由ではないのか。

別に今さら小学校時代の先生に対して怒りを持っているわけでもないし、糾弾しようというのでもない。だがこれに似た事は、今でも教育現場で為されているのではなかろうか。そして僕達も、この先生のような過ちを、誰かに対して行っているのではないかという惧れを、時々は自覚するべきではないかと思うのだ。

幸い僕はその後、大の音楽好きになったけれど、子供の頃の些細な出来事で音楽を嫌いになってしまう人もいるかもしれない。それはその人にとってとても不幸な事だし、他者に対してそのような影響力を行使するのは間違いだ。しかしよく考えれば間違いだとわかっても、知らずにやってしまう事もある。だから時々は振り返って反省するべきなのだ。僕もあなたも、誰もが。
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by oldblues | 2005-11-06 11:27 | 音楽以外の話