大好きな音楽の話をしたいな


by oldblues
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

Déjà Vu

b0008880_11505628.jpg今さら言うまでもなく「名盤」としての揺ぎ無き評価が確定されている作品。そのサウンドは、ブルースやカントリー、フォーク・ソングなど、アメリカ土着の音楽にロックのエッセンスを取り入れ、新しい解釈を加えたという感じか。美しいアコギの音や完璧なハーモニーからは、どこまでも広がっていく空や大地を感じさせられる。しかし彼らがやっている音楽は単に「爽やかな」というわけではなく、社会に対するメッセージや、どこか個人的な屈託を内包した歌詞などと相俟って、非常に味わい深いものとなっている。

もともとは元バッファロー・スプリングフィールドのスティヴン・スティルス、元バーズのデヴィッド・クロスビー、元ホリーズのグレアム・ナッシュの3人に、元バッファロー・スプリングフィールドのニール・ヤングが加わってCSN&Yとなった。ヤングの加入により、サウンドによりロック的な要素が増したと言えるだろう。
グループ名は4人の頭文字を取ったというシンプルなもの。また本作はメンバーが各々自作の曲を持ち寄って一つの作品に仕上げたという雰囲気が強い。にもかかわらず、アルバムとしてのトータル感があるのはさすがとしか言いようがない。

1. Carry On
2. Teach Your Children
3. Almost Cut My Hair
4. Helpless
5. Woodstock
6. Déjà Vu
7. Our House
8. 4 + 20
9. Country Girl Medley: Whiskey Boot Hill / Down, Down, Down / "Country Girl" (I Think You're Pretty)
10. Everybody I Love You

「5. Woodstock」(ジュディ・コリンズ作)以外は全てメンバーの手によるもの。どの曲が好きかというのは好みで違うだろうが、名曲ぞろいの楽曲の中でニール・ヤングの歌う「4. Helpless」や、デヴィッド・クロスビーの「1. Carry On」などは特に名演と言えるのではないだろうか。

このアルバムを聴いていると直ぐにあの頃の気分になる。「あの頃」というのはもちろん70年代のことだ。ヒッピー、反戦、フラワー・ムーブメント、コミューン・・・などという言葉が頭の中に去来する。いい時代だったのかどうかはわからない。しかし僕にとっては紛れもなく懐かしい時代だ。そして本作は70年代を代表する、いやロックの歴史に燦然と輝く金字塔なのだろう。
[PR]
# by oldblues | 2008-07-20 11:52 | Old Rock

BOZ SCAGGS

b0008880_23323224.jpgもともとはデュアン・オールマンがギターを弾いているということで買ったのだ。中でも「 Loan Me a Dime」は12分を超えるブルースナンバーで、デュアンのギターも素晴らしく、さすがに非凡な才能を感じさせる大作だ。(オリジナルはFenton Robinson)
だから手に入れた当時もこの曲ばかりを聴いていたし、正直言ってこれ以外の曲はほとんど印象に残っていない。

ところが今回改めて聴き直し、その水準の高さに驚いた。もちろん「Loan Me a Dime」が白眉であるという印象に変わりはない。しかし、他の楽曲も実に魅力に溢れた作品揃いなのだ。ボズ自身の歌もさることながら、バックを務めるミュージシャンの達者な演奏も良い。しかし何よりも素晴らしいのは、彼の音楽に対する情熱がストレートに伝わってくることだ。

ソウル、R&B、ブルース、カントリーなど、いろいろなスタイルの楽曲をボズはのびのびと歌っている。この中にいるのは「シスコの顔役」や「AORの帝王」ではなく、ただの音楽好きで素朴な若者なのだ。

このアルバムは名盤ではないかもしれない。しかし瑞々しく、とても美しい。

1. I'm Easy
2. I'll Be Long Gone
3. Another Day (Another Letter)
4. Now You're Gone
5. Finding Her
6. Look What I Got!
7. Waiting for a Train
8. Loan Me a Dime
9. Sweet Release
[PR]
# by oldblues | 2008-07-12 23:34 | Old Rock

Momofuku

b0008880_22275181.jpg1. No Hiding Place
2. American Gangster Time
3. Turpentine
4. Harry Worth
5. Drum And Bone
6. Flutter And Wow
7. Stella Hurt
8. Mr. Feathers
9. My Three Sons
10. Song With Rose
11. Pardon Me Madam, My Name Is Eve
12. Go Away

エルビス・コステロの新作。バンド名義としては約4年ぶりということになる。趣味性の高いアルバムをいくつか発表していて、それはそれで悪くないのだが、僕のようなファンからすると、ちょっと違うんだよなあという気がしていた。しかし本作はいわゆるコステロらしいコステロが帰ってきたという感じで、そういう意味では安心して聴くことができる。

ところでアルバム・タイトルの「Momofuku」だが、これは日清食品の創業者でカップヌードルの開発者、安藤百福氏の名前から採ったということだ。それではなぜコステロがカップヌードルか。実はこれにはいろいろな説があるらしい。
他のミュージシャンのプロデュースをしながら、並行して自分のアルバムのための曲を書き溜めていたところ、どんどん着想が沸いてきてほとんど完成形というところまで出来上がってしまった。後はお湯を注げば出来上がり・・・というわけで、アルバム・タイトルを「Momofuku」に決めた。
こんなエピソードをラジオ番組で聞いたが、そのあたりが真実に近いのかなと思う。まあ、こういうのは諸説紛々とした方が面白いかもしれない。

聴いて直ぐに気に入ったのは「4. Harry Worth」。その他はあまり印象に残らなかったので、今回は魅力的な楽曲が少ないのかと最初は思った。しかし「噛めば噛むほど味が出る」というのがコステロの身上である。何度も聴くうちに、どんどん好きな曲が増えてくるのだ。

ポップなセンスに溢れた、しかしどこか屈折したほろ苦い大人のロック。やっぱシブいな、この人。
[PR]
# by oldblues | 2008-07-05 22:31 | Rock
b0008880_0131230.jpg1. Infinito Particular
2. Vilarejo
3. Pra Ser Sincero
4. Levante
5. Aquela
6. Primeira Pedra
7. O Rio
8. Gerânio
9. Quem Foi
10. Pernambucobucolismo
11. Aconteceu
12. Até Parece
13. Pelo Tempo Que Durar

今週はずっとマリーザ・モンチとともに過ごした。何枚かの作品を立て続けに聴いたのだが、中でもヘビー・ローテーションで聴いたのが「Infinito Particular(私の中の無限)」と題されたアルバムである。彼女の作品はどれもそうなのだが、これはその中でも特に聴いていて心地良い。そしてそれは単に耳触りが良いというだけではなく、特別な雰囲気―ある種の懐かしさのようなものを感じさせる。僕はブラジル人ではないからよくわからないが、これがサウダージと呼ぶべきものなのだろうか。

マリーザはキャリアのわりには発表した作品の数が少なく、どちらかといえば寡作なアーティストと言える。しかし、2006年には本アルバムと共に「Universo ao Meu Redor(私のまわりの宇宙)」を同時発売している。実はこの時期、彼女はちょうど妊娠していてツアーに出られなかった。そのためアルバム製作に集中することが出来たということだ。理由はともあれ、ファンにとっては嬉しいことである。

2枚のアルバムはそのタイトルからも類推できるように、互いを補完するような内容になっている。「Universo ao Meu Redor(私のまわりの宇宙)」は、古い楽曲のカバーが収録されたりして、どちらかといえばオーソドックス。対して「Infinito Particular(私の中の無限)」はポップス色が強く、よりコンテンポラリーな感じ。彼女自身も「この二つのアルバムは全く個性が違う二卵双生児のようなもの」と語っている。しかし、アレンジや曲調の違いはあるにしろ、両方とも紛れもなくマリーザ・モンチが生み出したものであり、彼女の個性や魅力が凝縮された素晴らしい作品に仕上がっている。

とにかく何度聞いても飽きることがない。ひとつひとつの楽曲が全て美しく、まさに珠玉と呼ぶに相応しい。これを聴いていると「陽光の音楽、海風の歌声」「奇跡の歌姫」「楽園の心地よさ」などの宣伝コピーが、決して大げさなものではないと心から思えるのだ。
[PR]
# by oldblues | 2008-06-29 00:30 | Latin

The Art of tea

b0008880_023578.jpg1. Night moves
2. Eggplant
3. Monkey See-Monkey Do
4. St. Elmo's Fire
5. I Don't Know Why I'm So Happy I'm Sad
6. Jive
7. Popsicle Toes
8. Sometimes I Just Forget to Smile
9. Mr. Blue

あれは大学時代だったろうか。クラスメイトが「The Art of Tea」を貸してくれたのは。
「このレコードけっこういいよ。聴いてみる?」と、見たことの無いアルバムを渡された。僕は彼女の音楽センスに一目おいていたこともあり、それじゃというので貸してもらうことにした。

家に持ち帰って早速ターン・テーブルに乗せてみたが、正直なところあまりピンと来なかった。なんといっても当時の僕はRockしか聴かない偏狭なリスナーであり、それも土の香りがするようなやつを好んでいた。そんな僕からすると、マイケル・フランクスの音楽は洗練され過ぎているような感じでしっくりこなかったし、ふわふわしたヴォーカルもなんとなく頼りなく思えた。だから、「ごめん。どうも僕の好みじゃないみたいだ。」と、直ぐにレコードを返してしまった。そしてこう思ったのだ。「やっぱり女の子は大人だな。」って。

時は流れ大人になった今、聴き直してみると、ずっと以前にクラスメイトが言っていたように「このアルバムけっこういいな」と思えるようになった。年を取って、ようやく僕の感性は当時の彼女に追いついたのだろうか。
[PR]
# by oldblues | 2008-06-22 00:25 | Old Rock

A night on the town

b0008880_22522523.jpg1. Tonight's the Night (Gonna Be Alright)
2. First Cut Is the Deepest
3. Fool for You
4. Killing of Georgie, Pts1& 2
5. Balltrap
6. Pretty Flamingo
7. Big Bayou
8. Wild Side of Life

最初FMラジオから流れてきた「Tonight’s the night」を聴いた時、特徴のある声からロッドが歌っているのは直ぐわかった。そして、メロディといいアレンジといい、なんてカッコいい曲なんだと、一発でシビれたのだ。

ロッド・スチュワートはとてもとても華やかな雰囲気を持っている人だ。なんといってもほら、スーパースターだから。しかし、こんなにもきらびやかでありながら、どこかに哀しみを感じさせるところが、他の凡百のヴォーカリストと違う点だろう。そこらあたりが彼の歌に深みを与えている特徴のひとつだ。
そしてこの曲は、若い時代にだけ許される一瞬のきらめきや、ピュアで切ない気持ちをとてもうまく切り取って僕たちに提示してくれている。何度聴いても飽きない。名唱だ。

さてこのアルバムだが、もちろん良い曲は「Tonight’s the night」だけではない。キャット・スティーブンスの「2. First Cut Is the Deepest」や「4. Killing of Georgie, Pts1& 2」「9. Trade Winds」など、魅力的な楽曲が満載だ。
実はアナログ時代はA面が「Slow side」B面が「Fast side」になっており、バラード好きな僕としてはA面をよく聴いたものだが、もちろんB面の小気味のよいロックン・ロールも素晴らしい。

個人的な感想だけれど、ロッド・スチュワートが輝いていたのはこのアルバムまでという気がする。(一歩ゆずっても次の「明日へのキックオフ」まで)ロック界のスーパースターがポピュラー・ミュージック界のスーパースターに変貌する過渡期、それが「A Night On The Town」だ。この時代のロッドは「AORを歌う大人のシンガー」ではなく、紛れもないロックン・ローラーだった。

蛇足だけれど「Tonight’s the night」の日本語タイトルは「今夜キメよう」。同じ題名のニール・ヤングの曲は「今宵その夜」。う~ん。なんだかなあという感じである。
[PR]
# by oldblues | 2008-06-14 22:59 | Old Rock

Nine Lives

b0008880_0411426.jpg1. I'm Not Drowning
2. Fly
3. Raging Sea
4. Dirty City
5. We're All Looking
6. Hungry Man
7. Secrets
8. At Times We Do Forget
9. Other Shore

「Nine Lives」というタイトルは、これがスティーブ・ウィンウッド9作目のソロアルバムであること、そして収録曲が9曲だということにも関係しているに違いない。文字通り、9つの違った人生を切り取って、その断面を映画のように見せてくれる作品である。

サウンド的には前作の「About Time」とそれほど大きく変わっていない。バンドの編成もほとんど同じで、ベース・ギターを入れず、スティーブがオルガンのペダルで代用しているというスタイルもそのままだ。しかし、前作ではオルガンと歌に専念していたスティーブが、本作ではギターも弾いている。

様々なジャンルのエッセンスをブレンドしたような音楽スタイルも前作同様だ。しかし「1. I'm Not Drowning」のようなブルース・フィーリング溢れる楽曲を聴いていると、もともと彼のルーツであるブラック・ミュージックの方に、力点が少しだけ移動しているのかなという気がする。

例によって1曲あたりの演奏時間は長いのだが、それが全く気にならない。捨て曲が無く、非常に充実した内容である。最初に聴いた時は、やはりエリック・クラプトンの参加で話題になった「4. Dirty City」が印象に残ったが、ゆったりしたグルーブを感じさせる「2. Fly」や「9. Other Shore」も気に入った。

そしてヘビー・ローテーションで聴くうち、全ての楽曲を好きになってくる。
また1枚、名盤の誕生である。
[PR]
# by oldblues | 2008-06-08 00:43 | Rock

Sunflower Time

b0008880_23215989.jpg1. Agua De Beber
2. Close To You
3. Odara
4. Overjoyed~Ancora
5. Ancora
6. Filhos De Gandi
7. Mas Que Nada
8. Muito
9. Wave

アナ・カランはサンパウロ生まれのシンガー。96年リリースの「Sunflower Time」が、それまでの作品と異なってかなり斬新な作りになっているのは、インコグニートのリーダーであるジャン・ポール“ブルーイ”・モーニックをプロデュースに迎えたことが大きな影響を及ぼしているのだろう。しかしそれにも増して、「従来の枠を超えたい」という彼女の気持ちが強かったのに違いない。

このアルバムはボサノバの名曲やポピュラーミュージックのカバー集となっている。例えば「1. Agua De Beber」はアントニオ・カルロス・ジョビンの曲。アストラッド・ジルベルトをはじめ、数々のシンガーが歌っている。邦題は「おいしい水」。「2. Close To You」はカーペンターズの歌が有名だ。「4. Overjoyed~Ancora」は、ご存知スティーヴィー・ワンダーの名曲をアナ・カランが自らのギター1本で歌い、彼女のオリジナル曲とのメドレーになっている。「7. Mas Que Nada」はセルジオ・メンデスとブラジル66のテイクが有名だ。ちなみにオリジナルはジョルジ・ベン。
その他にもカエターノ・ヴェローゾやジルベルト・ジルの作品、もともとはインストゥルメンタル曲だったジョビンの「9. Wave」など、名曲が目白押し。まさにスタンダードに新しい息吹を吹き込んだと言えるだろう。

しかし、曲の良さやアレンジの斬新さだけではなく、彼女の声のよさや歌の上手さを忘れてはいけない。透明感がありながらどこか官能的な彼女の歌声は、聴く者に本当の「癒し」を与えてくれるはずだ。
[PR]
# by oldblues | 2008-05-31 23:20 | Latin

Shine

b0008880_22291947.jpg1. One Week Last Summer
2. This Place
3. If I Had a Heart
4. Hana
5. Bad Dreams
6. Big Yellow Taxi
7. Night of the Iguana
8. Strong and Wrong
9. Shine
10. If

初めて聴いた時、これは好きになりそうなアルバムだと思った。
ジョニ・ミッチェルという偉大なアーティストの存在は知っていたものの、これまでアルバムをちゃんと聴いたことが無かった理由は、その多方面に渡る才気あふれる活躍ぶりや、孤高の芸術家というイメージが先行して、彼女の創り出す音楽も、おそらくは高尚で難解なものではないかと、些か敬遠していたからだ。
しかしそんな僕の偏見は、とても良い形で裏切られた。

1曲目は意表をつくインスト・ナンバー。これが、まるで一幅の絵画を鑑賞しているようでとても快い。他の楽曲もなかなかに魅力的な作品ぞろいで、彼女のソング・ライティングの才能を改めて思い知らされる。存在感のある歌声。意外なほどのポップさ。優しいのにどこか厳しい――なぜかそんな印象を受ける。それにしてもカナダ出身のアーティストの歌は、ニール・ヤングなんかもそうなんだけど、どうしてこんなに内省的なのだろう。

なんと言っても一番のお気に入りは、タイトル曲にもなっている「Shine」。メロディがいい。歌も演奏もアレンジも完璧だ。7分半の大作なのに全く時間を感じさせない。もっともっと、ずっと長く聴いていたい。彼女の紡ぎだす音の世界にいつまでも浸っていたい。そんなふうに思わせられる、掛け値なしの傑作である。

惜しむらくは僕の語学力の拙さから、詩の内容がイマイチ深く理解できないことだ。でも、まあ仕方ない。きっと気持ちは伝わっていると思うから・・・
[PR]
# by oldblues | 2008-05-23 22:33 | Rock

原子心母

b0008880_2346747.jpg飯田街道にロック喫茶があったろう
塩付のバス停の近くさ

君はテーブルの上に両腕を乗せ
項垂れたまま目を閉じていた
外は昼間 まだ明るいはずだ
でも店の中は薄暗い

やがてレコードの演奏が終わると
一瞬の静寂が訪れる
君はしずかに頭を上げ
ふうっと大きな息を吐いた

やっぱりいいね、原子心母
これ聴くといつも
映画を1本観終わったような気がするんだ

そうだね 本当にそうだね
僕は黙っていたけれど
心の中じゃそう思っていたんだぜ

でも本当は
眠ってたんじゃなかったのかい
[PR]
# by oldblues | 2008-05-17 23:48 | Old Rock