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大好きな音楽の話をしたいな


by oldblues
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Anything But Time

Anything But Time_b0008880_2322295.jpgマット・スコフィールドの演奏を初めて聴いた時、直ぐに浮かんだ感想は「ギターが上手い」ということだった。そりゃ相手はプロなのだから上手いのは当たり前なのであるが、そういうことは百も承知の上での素直な感想なのだから仕方ない。

彼はイギリス出身のギタリスト、日本ではなぜかマイナーな存在のようだが、Youtubeなどで検索すると、多数の有名ミュージシャンと競演している動画を見ることが出来る。それだけ実力が認められているということなのだろう。

やっている音楽はブルースなのだが、あまり泥臭さは無い。そのギターからはソフィスティケートされた、多彩で流麗なフレーズが次々と繰り出される。それでいてブルース・フィーリングもきっちりと感じさせてくれるのだ。これは彼が単なるテクニシャンにとどまらない、非凡な才能の持ち主であるという証ではないだろうか。

どうしてもギターに耳が向いてしまうが、ヴォーカルの方もなかなか味がある。もっともっと聴きこみたいミュージシャンの一人である。マット・スコフィールドバンド(トリオ)でライブ・アルバムも出ているけど、そちらもカッコいいですよ。
# by oldblues | 2013-04-07 23:03 | Blues

Smokin'

Smokin\'_b0008880_2227915.jpg年の若い友人に70年代のロックをいろいろ聴かせたところ、このアルバムが気に入ったとのことだった。ずいぶん渋い好みだなと思いつつ、僕も久方ぶりに聴き直してみた。そしたら改めてこの作品の魅力に惹かれ、立て続けに5-6回聴いてしまったのだ。

ハンブル・パイと聞いて直ぐに名前が浮かぶのは、スティーブ・マリオットとピーター・フランプトンだろうが、本作はピーター・フランプトンが脱退してからの作品だ。しかし後任のギタリストであるデイヴ・クレム・クレムソンは、ピーターの抜けた穴を埋めて余りある働きをしている。決して表に出すぎず、しかし「ここぞ」という時には効果的で素晴らしいソロを弾く。そういう点はベースやドラムも同じで、あくまでもスティーブの歌の引き立て役に徹しながらも、きちんと存在感を主張する。つまりバンドとしてのまとまりが非常に良いのである。

特筆すべきは、やはりスティーブ・マリオットの歌の上手さだろう。彼は単に高い声が出るというだけのヴォーカリストではない。どの曲も全てがソウルフルで、今回何度も聴き直す中で「並みの歌い手ではない」と再認識させれた。

彼らの演奏はタイトにしてルーズ。ルーズにしてタイト。音と音の隙間に心地良い緊張感がある。ここら辺、ちょっとストーンズに似ているのではないでしょうか。
# by oldblues | 2013-03-24 22:28 | Old Rock

Los Lonely Boys

Los Lonely Boys_b0008880_23123180.jpgロス・ロンリーボーイズは、メキシコ系アメリカ人であるガルサ3兄弟で構成されるトリオバンドだ。
バンド名の「Los」はスペイン語の冠詞である。続く「Lonely Boys」というのは、アメリカ社会におけるマイノリティの悲哀を表しているのだろうか。いや、これは想像にしか過ぎないのだけれど。

彼等の作り出す音楽はブルースやロックにラテン音楽が融合されたもので、歌詞の中にも頻繁にスペイン語が登場するためかエキゾチックな感じがする。リズムの乗りも独特だ。楽曲のメロディ・ラインはどれもキャッチーだし、ギターがよく歌う。気持ちのよいサウンドの中に哀愁が漂っている。

紹介しているのは2005年に日本で発売されたSpecial Editionというやつで、全15曲が収録されている。(輸入版は13曲)ヒットした曲といえば02 Heavenになるのだろうが、僕にとって最も聴き応えがあるのは7分を超える08 Ondaである。このアルバム以降、何枚も作品が発表されているけれど、僕はいまだにこのアルバムが一番だと思う。

01 Señorita
02 Heaven
03 Crazy Dream
04 Dime Mi Amor
05 Hollywood
06 More Than Love
07 Nobody Else
08 Onda
09 Real Emotions
10 Tell Me Why
11 Velvet Sky
12 La Contestación
13 Heaven (en Español)
14 More Than Love (en Español)
15 I Walk The Line
# by oldblues | 2013-03-20 23:16 | Rock

つづれおり

つづれおり_b0008880_23432054.jpgキャロル・キングはシンガーとしてよりもソングライターとして先に頭角を現した人で、リトル・エヴァや、後にグランド・ファンク・レイルロードが大ヒットさせた「ロコモーション」や、ドリフターズの「アップ・オン・ザ・ルーフ」などは彼女の手によるものである。

しかしそんなことには関係なく、このアルバムは素晴らしい。大ヒットした③や⑦はもちろん、全ての楽曲が粒ぞろいで捨て曲はひとつもない。

彼女が生まれたのは1942年というから、「つづれおり」を発表した当時は20代の終わり頃ということになる。だからというべきか、それなのにというべきか、全編に瑞々しい感性が溢れ、シンプルでありながら美しく、一本筋の通った力強さすら感じさせる好アルバムに仕上がっている。さすがは殿堂入りの名盤と言われる所以である。

1. I feel the earth move
2. So far away
3. It's too late
4. Home again
5. Beautiful
6. Way over yonder
7. You've got a friend
8. Where you lead
9. Will you still love me tomorrow
10. Smackwater Jack
11. Tapestry
12. You make me feel like a natural woman

時々日が射したと思ったらまた曇る。晴れそうで晴れない薄曇りの空。そんな冬の日の午後、僕は暖かい部屋にいて、炬燵の中で「つづれおり」を聴いている。うつらうつらしてハッと気づいたら、いつの間にかアルバムは終わっていたのだった。
# by oldblues | 2010-02-06 23:44 | Old Rock
ブルー・スピリット・ブルース_b0008880_23141581.jpg浅川マキが死んだ。
名古屋のホテルで亡くなった。
67歳。病死だという。
とても信じられない。
彼女が死んだことも
67歳になっていたことも。

独特な世界をもっていた。
ワン・アンド・オンリーという言葉は、彼女のような存在にこそ相応しい。
熱烈なファンではなかったが、昔からずっと聴き続けて来たんだ。

今夜は大好きな彼女のアルバム「ブルー・スピリット・ブルース」を聴こう。
そして、浅川マキという素晴らしいシンガーがいたことを静かに偲ぼう。

きっと今夜は世界中が雨だろう
# by oldblues | 2010-01-18 23:17 | Blues