大好きな音楽の話をしたいな


by oldblues
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またみつけたよ

b0008880_23381566.jpg友部正人の詩人としての力量は(別に僕などがここで書くまでもなく)既に多くの人たちから素晴らしい評価を得ている。そして僕も彼の作る詩の世界に魅せられた一人だ。

当時「シンガー・ソングライター」と呼ばれる人たちが多数出現し、いわゆるフォーク・ブームというのを作った。彼等の歌は当然ながら自作自演で、それまでの歌謡曲におけるプロの作品と比べると、稚拙ではあるかもしれないけれど、既存の歌には無い新鮮な言葉やメロディで僕らにある種の衝撃を与えた。

その中でも詩人として作品が「現代詩手帳」にも掲載されたほど評価されたのは、三上寛と友部正人が双璧だったのではないだろうか。もっともこの2人の作品はかなり方向性が違うけれど。

しかし楽曲における詩というのは、いわゆる文学としてのそれとはいささか趣を異にする。文章にした物を読むのと違い、そこにはメロディや演奏、また歌い手の声質などが複雑に干渉し合う。なので、単に優れた詩というだけで聴き手に感動を与えるわけではないのだ。

では友部の作品はどうかというと、少なくとも僕にとっては非常な驚きと感動をもたらした。とは言え、彼の作るメロディが特別に優れたものであったというわけではない。だが、ぶっきらぼうとも言える彼の歌唱スタイルや、シンプルなメロディに乗せて歌われる(語られる)トーキング・ブルースは、その言葉を際立たせるという意味で、技巧的なメロディよりで歌われるより、むしろ適切だったと思うのだ。

現代の吟遊詩人に例えられる彼の作品には名曲がたくさん有る。デビューアルバム「大阪へやってきた」の「まるで正直者のように」「まちは裸ですわりこんでいる」2枚目「にんじん」の中の「一本道」。その他にも「誰もぼくの絵を描けないだろう」「すっぱい雨」「トーキング自動車レース・ブルース」「サキソフォン」「どうして旅に出なかったんだ」など枚挙に暇がない。

収録された曲の水準が粒ぞろいであるということからすれば、やはり「にんじん」が一番かもしれない。でも僕は敢えて「またみつけたよ」を推したいのだ。このアルバムを購入して初めてターン・テーブルに乗せ、1曲目の「反復」を聴いた時の衝撃を忘れられないから。

このぼくを精一杯好きになっておくれ
そして今度の夏がきたらさっさと忘れておくれ

ああ、これはまさにロックン・ロールだ!
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by oldblues | 2005-03-06 23:43 | 70's Rock&Folk(J)