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大好きな音楽の話をしたいな


by oldblues
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絵_b0008880_102111.gifCHABOこと仲井戸麗市は、キャリアの長いミュージシャンだ。古井戸、RCを経てのソロ活動。また麗蘭や他ミュージシャンとのジョイントなど、常に第一線で活躍し続けてきた。その間、ずっと彼の音楽を聴いてきたが、僕が本格的にCHABOファンになったのは、ソロ・アルバムを聴いてからかもしれない。

古井戸やRC時代の仲井戸は、僕の中ではあくまでもギタリストに過ぎなかった。たまに歌う場面があっても、それはライブでのファン・サービスであったり、ギタリストの余技という印象を超えるものでは無かった。
だが、85年のソロ1作目「THE 仲井戸麗市 BOOK」を聴いてからは考えが変わってしまった。つまり、それまでの「渋くて巧いギタリスト」だけではなく、「個性的なヴォーカリスト」「独自の世界を紡ぎ出すソング・ライター」という評価が加わったというわけだ。

仲井戸麗市の作り出す世界は、同世代の僕にとってはとても懐かしく、とても居心地のよいものとして映る。ドロップ・アウトした不良少年が音楽の魔力に憑かれ、当時流行ったロックや、ブラック・ミュージックをたっぷり吸収して大人になる。しかし、その頃に培った価値観や体制に対する怒りは、現在に至るまでずっと継続している・・・そんな気がする。
年齢を経て、その表現は直接的なものから、より深い「文学的」とでも表現するべきものへと進化した。だが、根底に流れるスピリッツは、当時と何ら変わっていないと思う。

さて、タイトルの「絵」は、90年に発表されたCHABOの2作目で、ソロ・アルバム中、僕の最も好きな作品だ。最初の曲「ホームタウン」の「ジェファーソン・エアプレインに飛び乗って緑の広場に着陸できたら 風と月のCafeでお茶でも飲もう」という歌詞が始まると、そこはもう仲井戸麗市の描く水彩画の世界になる。

②夜のピクニック⑦慕情⑧ねぇHISAKO~自由の風⑩ホーボーへ(アメリカンフォークソングへのレクイエム) ⑫潮騒などがお気に入りだが、アルバム中白眉と呼ぶべき楽曲は⑨エピローグ だろう。この曲の何処が良いのかを伝えるのは、僕の文章力では不可能に近いが

たかが知れてる社会に たかが知れてる自由さ
けちな都をうつむき歩く 俺もたかが知れてる
去り行く君に エピローグを捧げよう

誰を責めても虚しい 昨日を悔やんでも意味がない
けちな都で浮いてる 痩せた空元気も虚しい
去り行く君に エピロ-グを捧げよう

という歌詞の一節を読んでもらえれば、つまらない解説は不要なのではないだろうか?仲井戸麗市はホンモノだ。つまり言いたいのは、それだけの事なのである。
by oldblues | 2005-06-12 01:04 | J-POP